今、若者が考える将来のキャリアと起業 日本の大学生の起業意識とは

世界各国の大学生の起業意識を2~3年ごとに調べるGUESSS調査。2021年調査はコロナ禍の中で実施された。身近なITサービス企業の台頭などで、若い世代では起業への関心が高まっている。日本の大学生の起業意思は世界で最低水準だが、これまでの研究から、起業意思を高める方策が見えてきた。

田路 則子(法政大学 経営学部 教授)

自国の大学生の起業に対する意識と世界の中での立ち位置は、いったいどのようなものなのか?スイスのサンガレン大学の中小企業・起業家活動研究所が事務局となって2~3年に一度実施されている「大学生の起業意識に関する国際調査」(GUESSS)は、この問いに答えるべく、2003年から世界の大学生の起業意識を調査している。この調査に参加する国は、その国でのデータ収集を調整する研究者のチームを作る。最新の調査は2021年に実施され、各国の集計結果が発表されているところだ。

2011年からは、日本でもこの調査が実施されるようになった。GUESSS日本事務局で調査を実施し、4月に日本における2021年の調査結果をまとめたメンバーの1人、法政大学経営学部教授の田路則子氏は「日本の大学生が『起業』というキャリアを希望する率はGUESSS2021においては世界58カ国中最下位でした。2018年の調査でも世界54カ国中最下位で、傾向に変わりはありません」と話した。起業意思の絶対値も世界で最下位クラスにとどまっている。

図1 GUESSS調査・回答者のキャリア選択


調査に回答した大学生のキャリア選択。日本の大学生は、「創業者」を選択する人が海外に比べ少ない

出典:GUESSS 2021 Japanese National Report

 

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