第6回 地域のためのエネルギー技術をしたたかに見極める

脱炭素ブームに湧く経済報道等では、脱炭素に寄与する技術として水素やアンモニア、CO2分離貯留・リサイクル(CCUS)の活用が喧伝されているが、地域には地域の視点からの検討が必要だ。

エネルギーシフトの時代

気候危機回避のため、世界で、エネルギーシフトが始まっている。エネルギーシフトとは、化石燃料や原子力から再エネ(再生可能エネルギー;太陽光・熱、風力、水力、バイオマス等)への転換、LED照明への転換、建物の断熱強化、EV(電気自動車)化の推進、さらに、産業の省エネ・節エネ等を通じて、危機の原因であるCO2排出をゼロにすることである。

グローバル企業は、取引先に再エネで作られた製品を求める「再エネ調達」を進めている。いまやその波は、日本の国際競争力を左右しつつある。サントリーは2022年までに日米欧すべての生産拠点を100%再エネ化するため1000億円の投資を行う。イオンは2030年までに、すべての店舗を100%再エネ化すると宣言している。

地域のエネルギーシフト

再エネは、海外から購入した燃料を用いて、大規模な発電所で集中的に変換する「集中型」エネルギーではなく、「分散型」の自然エネルギーである。

エネルギーシフトは、地域にとっては、地元の再エネ資源を生かして、一般電力や燃料の購入を減らし、同時に無駄を見つけて省エネを進めることであり、外部(最終的には中東や豪州)への「対外エネルギー支払い」をゼロにすることである。その分、地域には資金余裕が発生するから、設計次第ではあるがシフトのための投資は回収可能となる。

昭和30年代までの日本は、自動車・航空用燃料以外のエネルギーは自給していた。電化農協1)等による小水力発電も多数存在していた。熱も動力も電気も、地域の自分事であった。

地域には地域のエネルギー基本計画

では、現代の地域は、どうやってエネルギーシフトに取り組んだらよいのか。地域の目線で見る時、国からの情報はまだ錯綜している感がある。「地域循環共生圏」といった目標が提示されている一方、エネルギー基本計画をめぐる議論では、CCS(CO2分離貯留)、CCU(CO2分離リサイクル)等の記号や輸入アンモニアや水素による火力発電といった構想が躍っている。

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