「地方創生」に終わらない地域のSDGs マンハイム市の挑戦

グローバル目標と地域課題の解決、双方の実践が必要な自治体SDGs。ともすれば地方創生のツールのみになりがちなSDGs本来の目標を達成するにはどうすればよいのか、今回はドイツ南西部の都市・マンハイムを例に、市長のリーダーシップで政策に市民を巻き込んだ事例を紹介する。

"環境"だけでなく
バランスのとれた取組を

近年のSDGsへの関心の高まりは、危機的な環境問題に対して一石を投じるものと日本国内では認識されていますが、ICLEIが示す5つの道筋と同様に、SDGsに関しても全てを統合的に推進していくことが持続可能性を織りなすという考え方が基本にあります。つまり、SDGsの目標の一部だけを取り出して取組を進めたとしても、根本的・本質的な効果には繋がらないのです。こうした統合的取組の重要性は、第1回でもご紹介した「アジェンダ21」の策定段階からすでに指摘されていましたが、2009年に「地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)」という概念が提唱されたことで世界の共通認識となりました1)。これは、地球システムが許容するプラネタリー・バウンダリーの範囲内で、科学技術の発展や持続可能な社会への転換を促す新しい概念を提唱したものです。これに人類にとって必要である社会基盤の考えを加えたものが図です。ここで示すようなバランスのとれた人類にとって安全かつ公正な空間(ドーナツ)の中で社会経済の発展を実現するためには、個別の課題に対してアプローチするだけでは不十分で、より統合的な取組を進めていく必要性があるのです。

図 社会的な基盤とプラネタリー・バウンダリーのドーナツ(Kate Raworth)

出典:https://www.kateraworth.com/doughnut/の情報を基に筆者が日本語訳を追加

 

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