デジ田構想総合戦略が始動 地域の活力を引き出し、高める具体策
2022年12月に国が公表した「デジタル田園都市国家構想総合戦略」。岡田直樹内閣府特命担当大臣(地方創生)兼デジタル田園都市国家構想担当大臣に、その狙いと、実現に向け自治体・民間企業に期待することについて聞いた。
(聞き手:事業構想大学院大学学長・田中里沙)
2027年度までに東京圏と
地方の均衡を目指す
――昨年末に、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」が発表されました。デジタルの力を活用して地域社会の課題を解決していくために、自治体にはどのような役割を期待されますか。
国は2014年から地方創生の取組を本格的に始め、5カ年計画である「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の下、様々な施策を進めてきました。2020年度からの第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が進行中ではありましたが、コロナ禍でデジタル化の重要性が再認識されたこともあり、2022年12月には、これを「デジタル田園都市国家構想総合戦略」(2023~2027年度)へと全面的に改訂しました
デジタル田園都市国家構想総合戦略の施策の方向
1980年、当時の大平正芳首相のもとで作られた「田園都市国家構想」は、大都会への一極集中が進んだ日本社会を変え、地方でも都会でも人間らしいゆとりある生活を営めるようすることを目指していました。この流れを汲んで、新たにデジタル技術を活用した「デジタル田園都市国家構想」が生まれました。これは歴史的な転換であり、日本の将来のためにも同構想は必ず実現しなければならないということを、地方公共団体や企業を含む社会全体で認識いただきたいと願っています。
今回の戦略も期間は5年、その間に成果を出すことが求められています。多くのKPIは言わば手段であり、その達成が目的化しては意味がありません。数あるKPIの中で最も本質的なKPIは、「2027年度までに東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)からの人の転出と転入をバランスさせる」というものであると考えます。2020~2021年にかけてのコロナ禍においては、「転職なき移住」が可能になったことや長年の地方創生の努力もあり、地方へ移住する方が増えました。しかし、2022年はまた東京への転入が前年を上回っています。
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