自治体DXを加速させる「DX人材」とは ベネッセコーポレーション

コロナ禍によって明らかになった行政のデジタル化の遅れ。その一因はデジタル人材・DX人材の不足にある。自治体におけるDX人材育成のポイントや、ベネッセの提供するオンライン動画学習サービス「Udemy」を活用した自治体DX人材育成ソリューションについて解説する。

大宮 千絵 ベネッセコーポレーション
大学・社会人事業開発部 行政・大学向けUdemy事業責任者

オンライン学習サービスを提供し
DX 実用化への効果を検証

コロナ禍において行政手続きの申請やワクチン接種の予約などのデジタル化は喫緊の課題となっている。今年9月には「デジタル庁」が発足し、各自治体でもDX推進に向けた専門組織の立ち上げや、外部IT人材の獲得、職員研修の実施など、DX人材育成の取り組みが始まっている。

こうした動きを受けて、ベネッセコーポレーションは、2020年12月から世界最大級のオンライン動画学習サービス「Udemy Business (ユーデミービジネス)」を用いた「行政向けDX人材育成プログラム」の提供を開始。Udemy Business(以下、Udemy)は、DXからビジネススキルまで日本語及び英語による約5,500講座をサブスクリプション(定額制)で利用できる学習サービスで、2019年6月のサービス開始後、国内約400社以上、日経225の30%以上の企業で導入されている。

2020年12月から「行政向けDX人材育成プログラム」を提供

「地方自治体におけるDX人材育成ニーズの高まりを受け、DXに強い学習コンテンツを揃えたUdemyで全国のDX推進を加速させるご支援ができるのではと考え、自治体向けのサービスを立ち上げました。現在、福井県庁や神戸市、鳥取県など多くの自治体でご活用いただいています」と行政・大学向けUdemy事業責任者の大宮千絵氏は話す。

今年5月からは、Udemyを活用した「DX人材育成に関する実証研究」を開始。実証研究では、全国31自治体の職員に3か月間、講座を受講してもらい、学習前後の変化、学習傾向、受講の多い講座の傾向、PCやスマホなどの受講形態などを分析し、さらなる効果的な学習に繋げていくもので、研究成果は今秋の発表を予定している。

部門・職員間のIT知識の差が課題
組織横断的な学習の必要性

自治体では、DX推進部門やDX推進監の設置に加え、部門を超えて庁内全体でDX人材育成に取り組む動きも見られるが、実証研究に先立ち、実証に参加予定の自治体を対象としたアンケート調査の結果からは、DX推進の現状と課題が浮き彫りとなった。

DX推進担当職員のうち約9割が「部門や職員によってIT知識に差があることが課題」であると回答し、職員間での知識差がDX推進の最大の障壁となっている現状が明らかになった。また、職員全体の約半数が知識不足のためIT活用に抵抗があり、約7割が「活用可能なIT技術が分からない」と回答した他、約8割が「DX推進のために何から着手すればよいか分からない」「学び方が分からない」と回答するなど、DXという言葉が先行し、実態が追い付いていない現状が読み取れる。「学びによって社会の課題を解決するベネッセとして、こうした自治体の課題に合わせ、組織横断的な学習の機会を提供することが必要であることを改めて認識しました」

さらに大宮氏は、行政DX人材に求められる要素について、「IT技術をとにかく取り入れたり、自分自身が駆使できたりする必要は必ずしもない」とも話す。

「それ以上に大切なのは、『IT技術でできること・制約を知り、業務や施策にどう取り入れるかを考え、推進できること』。そして、『市民の暮らしや行政サービス、業務がどうするとより良くなるか、顧客起点・データドリブンで考えられること』であり、2つの力を持つ人材を育成する上での最適の手段が、Udemyだと考えています」

そのような考えのもと、自治体向けUdemyとして構築した「DX人材育成の講座パッケージ」は、「業務にデジタルを取り入れる力」、「データを活用する力」、「ソフトスキル」の3つの力が身につく構成となっている。レベル別・テーマ別に選択できる「DX推進力講座」、個人や組織の課題別に選択できる「データ活用力講座」に加え、エビデンスに基づいた政策形成に必要なデータ活用スキルが学べる「行政・自治体向けのオリジナル講座」も用意し、多くの自治体から好評を得ている。

図 DX人材育成の講座パッケージ (DX人材育成の3本柱)

出典:ベネッセコーポレーション

 

各自治体に最適な人材育成を提供

自治体におけるUdemyの活用事例を見てみよう。

福井県は未来戦略課のDX推進室を中心にDXに取り組み、各課の若手を中心に選定した240名の「DXリーダー」を中心にUdemyを活用しスキル習得に努めている。受講メンバーは庁内SNSで同じチャンネルに入っているため、随時おすすめの講座を紹介したり、感想を共有し合うなど、学び合いの雰囲気が醸成されているという。

「ご担当者様からは、DXという新しい考え方を早期に県職員に定着させる必要があり、オンライン講座によりDXに関する数多くの内容を学習できるUdemyの導入が最適と考えたことが導入に至った経緯だと伺っています。今後はDX関連施策のアイデア出しや施策立案、業務発注などに研修で学んだ知識を活かしたい、と意気込んでおられます」

また神戸市では、統計部門の職員を中心にUdemyが利用されている。大宮氏の元には、「統計分析ツールを導入したが、Udemyで使い方を学習し、業務にうまく活用できるようになった」、「Udemyを活用した学びを共通言語化し、異動してきた職員のインプットに役立てている」など、さまざまな感想が届いているという。

最後に、大宮氏は「現在、自治体横断でDX推進体制のワーキンググループを発足し、行政DX人材の要件やスキルの定義や、庁内のDX推進体制について検討しているところです」と報告した上で、「自治体ごとに課題が異なるため、人材育成に正解はありませんが、自分たちの組織に何をどう取り入れるべきかを考える上で、先行事例は大いに役立つはずです。ベネッセは今後も横の連携を図り、さまざまな情報の交換やご提供を続けながら、各自治体に合った人材育成の支援を進めてまいります」と締め括った。

 

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