モチベーション改善に新たな選択肢 スタートアップの発想力

エンゲージメントの可視化と向上に、新たな発想で挑むスタートアップが登場している。日本初のチャットツールを利用した客観的なエンゲージメント把握や、小学生向けキャリア教育を通じた若手社員のエンゲージメント向上など、その手法はさまざまだ。

日本初、チャットツールを
利用したエンゲージメント把握

チャットツールのテキストデータを分析し、従業員コンディションを把握できる「Wellday」

welldayは、従業員エンゲージメントの把握から改善までをワンストップで行うプラットフォーム「wellday(ウェルデイ)」を提供する2019年設立のスタートアップだ。パルスサーベイではなく、日常的に使用するチャットツールのテキストデータに基づき従業員の状態を把握するという日本初のサービスである。

月ごとや四半期ごとに行われることが多いパルスサーベイは、従業員の回答負担が重く、仕事が忙しい時などはついつい適当に答えてしまうもの。同社の調査によれば、会社員の67%が定期的なエンゲージメントサーベイに疲れており、サーベイに回答しても改善効果を実感できていない人も68%にのぼる。

この課題を解決するために開発されたウェルデイは、SlackやTeamsなどのチャットツールと連携するだけで、ツール上のメッセージ等をAIで解析、ワークエンゲージメントやストレスレベルの相関関係を解析し、客観的かつリアルタイムに可視化する。

文章に表れる表現の特徴には、その人のワークエンゲージメントやストレスレベルとの相関関係があると学術的に証明されている。例えば、無意識にストレスが溜まっているときほど「私は」と主語を強調した文章を書きやすいという。こうした学術的な知見を元にウェルデイは従業員のコンディションを予測。「実際に従業員に行ったサーベイによる実測値と、AIによる予測の相関係数は0.67と高く、イメージとしては天気予報と同じレベルで当たります」と代表取締役の牟田吉昌氏は言う。北里大学との実証実験でも、AIによる予測スコアは約80%の精度で合致することが確認されている。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り62%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。