従業員エンゲージメント 可視化から組織変革へ結びつけるには?
人的資本経営を推進する上で、従業員エンゲージメントは重要な要素であると指摘されている。組織人事コンサルティング大手のリンクアンドモチベーションの田中峻氏に、従業員エンゲージメントに関する日本企業の取組状況や、エンゲージメント向上のポイントなどを聞いた。
大企業のみならず地域や自治体も
エンゲージメントに注目
従業員エンゲージメントとは、企業と従業員の相互理解・相思相愛度合いを指す。会社への愛着や、仕事への情熱を表す指標であり、主に目標(理念や成長性)、活動、組織、待遇の4つの要素から構成される。
近年、従業員エンゲージメントに対する取り組みを行う企業が増えている。組織人事コンサルティングを手掛けるリンクアンドモチベーションの田中峻氏は、その背景を次のように説明する。
「企業は商品・労働・資本という3つの市場に接しています。産業全体における第三次産業の比率が高まっている日本では、商品の競争優位性を生み出す“人”は重要な資本です。労働市場においては、人材の流動化が起こっており、転職も当たり前になりました。同時に、働く人の価値観や働き方が多様化しているのは周知のとおりです。以前に比べて、従業員から選ばれ続ける難易度は高くなっていると言えます。
そして資本市場においても、株主が企業の長期的な成長可能性を測るために、コーポレートガバナンスやサステナビリティ経営とともに、人的資本にも注目し始めています。2018年12月に国際標準化機構(ISO)がISO30414(人的資本に関する情報開示のガイドライン)を発表したのに続き、日本では金融庁が上場企業などに対して2023年3月期の有価証券報告書から人的資本の情報開示を義務付けました。こうした中で、業種業界を問わず、多数の大手企業が従業員エンゲージメントの可視化に着手しています」
リンクアンドモチベーションは2016年から従業員エンゲージメント向上クラウドサービス「モチベーションクラウド」を提供している。国内最大級の1万社超、約312万人のデータベースをもとに組織状態を可視化・分析でき、組織改善のための各種ツールや、コンサルタントによる施策のアドバイスも提供。従業員エンゲージメント市場では圧倒的なシェアトップを維持している。
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