双日、KDDIなど 先進企業に学ぶ人的資本経営のポイント

人的資本経営の先進企業は、社内環境整備や人材育成にどのように取り組んでいるのか。大手商社における若手女性社員の海外勤務推進や、金融機関における人材育成・地域還流の取り組みなど、組織の特徴や成長戦略と連動した人的資本経営の取り組みを紹介する。

双日 若手女性総合職の
海外出向経験割合をKPI化

グループ全体で約2万人の社員を擁する総合商社の双日。トレーディング中心だった事業モデルを脱却し、事業投資へシフトして最高益を更新し続けている。

同社は経営戦略と事業戦略、人材戦略の同期・連動を強く意識しており、2030年に目指すグループ像「事業や人材を創造し続ける総合商社」を達成するために、人材面では「多様性と自律性を備える個の集団」を構成することを目指している。人材戦略では、多様性を活かす、挑戦を促す、成長を実感できるという3つの柱を定めて、さまざまな施策を推進している。

その中でもユニークなものが、女性活躍推進に向けた人材KPIの設置だ。同社は2021年3月に実施した独自のエンゲージメントサーベイ結果から、女性社員は海外勤務を希望するタイミングが男性社員に比べて早く、成長意欲が相対的に高いことを把握した。これは、年齢を重ねるほど結婚・出産などのライフイベントの影響で、海外勤務が難しくなることと関係している。

双日は若手女性総合職の海外・国内出向についてKPIを設定(写真はイメージ)

そこで同社は、女性社員への早期の現場経験機会を意図的に増やす「キャリアの早回し」施策を開始。課長経験前の女性総合職の「海外・国内出向経験割合」をKPIに設定して、積極的な派遣を促している。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り76%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。