工事のスペシャリストの新規参入 製造能力獲得で広がる展望

保温・保冷工事で国内トップシェアのナイガイは、2020 年に保温・保冷工事で使用する「保温帯」の加工・製造で製造業に参入。昨年 5 月には国内初となる保温帯加工のロボット化も実現し、生産効率を向上させると共に、プレハブ化推進で人手不足に悩む建設業界に貢献していく。

淺井 康雄(ナイガイ代表取締役社長)

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企業の製造業参入

関東大震災の翌月に当たる1923年10月に創業したナイガイは、保温・保冷工事請負業からスタートし、専門工事のスペシャリストとして歩んできた。現在は断熱工事業、耐火被覆工事業、ダクト工事業の3つが事業の柱となっている。また、消音器の製造販売や食品工場などの冷蔵庫のパネル工事、内装工事の請負業も行っている。

「建築物では、鉄骨など建物の躯体・構造体以外の工事なら一通りできる、という事業を目指しています」と代表取締役社長の淺井康雄氏は言う。

ビルなどの建物では冷暖房を使うと、冷気や暖気は長いダクトを通って各部屋へ運ばれる。ダクト内を通る空気の温度を保つため、ダクトには断熱材を巻き付ける必要があり、その工事が「断熱工事」だ。ナイガイはこれを専門とする会社では唯一、全国展開している。さらに2020年には、断熱工事で使用する「保温帯」の加工・製造で製造業に参入した。

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