2021年6月号
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連載 SDGs時代の都市経営

リベラル都市ボストンに学ぶ 自治体の脱炭素・気候変動政策

内田 東吾(イクレイ日本 事務局長)

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アメリカの中でもリベラルな風土で知られるボストン市。アメリカを襲ったハリケーンの経験から、総合計画の中に気候変動対策を位置づけ、地元経済界・アカデミアと積極的に協働して対策を進める。この枠組は脱炭素を目指す日本の自治体にとっても大いに参考となりそうだ。

前回は、市政改革に加え国際的な議論への参加や市民・関係機関との対話を重ね、政策を推進しているドイツ・マンハイム市の例を紹介しました。今回はアメリカ・ボストン市の取組を紹介します。

アメリカ・ボストンに見る
産官学の協働

1.概要

・ アメリカの北東部に位置するマサチューセッツ州の首都。面積125.35km2

・ 人口約69万人(2019年)。2010~2014年の人口増加率は6%(全国平均の約2倍)。人口の4分の1以上は米国外で生まれた移民。

・ 隣接するケンブリッジ市を含め、マサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバード大学、ボストン大学など、世界を代表する大学や研究所を有する。

2.課題と取組 ~総合計画の策定と気候変動への取組

ボストン市はリベラル思考の市民が多く、多様性や市民参加、環境問題への意識が高いという基盤があります。歴代市長には民主党出身者が多く、バイデン政権のアメリカ合衆国労働長官(日本の厚生労働大臣に相当)に任命されたM・ウォルシュ氏は2014年から直前まで市長を務めていましたし、現市長のK・ジェイニー氏、1993~2014年まで5期市長を務めたT・メニーノ氏も民主党出身です。

ボストン市は現在、人口が増加傾向にあり、1人当たり総生産も米国平均を大幅に上回っていますが、1980年には人口がピーク時の80万人から56万人まで減少しました。しかしながら、以降は大学や病院を中心とした知識産業が牽引する形で人口増加が続き、2050年にはピーク時の1950年の水準にまで人口が増えると予想されています。一方で、格差拡大や不動産価格の高騰といった課題にも直面しており、こうした中でボストン市が主に環境分野で行ってきた取組を紹介します。

ボストン市は2017年、約50年ぶりに市の総合計画を見直し、『Imagine Boston 2030』を策定しました。50年前の総合計画は人口の急減に対し、経済を立て直すことを目的としたものでしたが、今回の計画では、成長を強固なものにすることを目的に、気候変動対策や教育、住居、高齢化など幅広い課題に対して市の歴史や現状の分析を行い、市民や関係者との対話をふまえ、将来のボストン市のあるべき姿を提示しています。そのうえでバックキャスティング手法を用い、6つの課題・機会、5つの大目標、目標達成に向けた14の成果目標、進捗を測るための評価指標を設定しました。

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