2020年9月号

自治体デジタルシフト

コロナ禍がもたらす新たな公共の姿 情報技術で公民連携を加速

セールスフォース

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コロナ禍は都市と地方のあり方、広域連携の必要性など、改めて地方自治の課題を浮き彫りにした。今回の教訓を生かし、地方自治体地域課題の解決にどう取り組んでいくべきか。国内外のスマートシティに詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティング専務執行役員の南雲氏に聞く。

今井 今般のコロナ禍によって行政機関は今までにない対応を緊急に迫られました。南雲さんはどのように評価していますか。

今井 早苗 セールスフォース・ドットコム 常務執行役員

南雲 公共部門のデジタル化の遅れが顕在化しました。とりわけ、特別定額給付金の手続きについてはマイナンバーカードの活用が期待通りに進まず、自治体の担当者の方に負担を強いる結果になりました。公共部門におけるデジタル化の進め方を見直していかないといけないのではないでしょうか。

南雲 岳彦 三菱UFJリサーチ&コンサルティング専務執行役員

一方で、国と地方自治体の役割分担、一自治体ではなく広域で連携して施策を考えることの必要性、人口密集地ではない地方で生活することの可能性などについてより現実的な議論がなされるようになりました。第2波の到来に備えて緊張感を持ち続け、今から準備を進めておくことが大事だと思います。

今井 海外におけるコロナ禍の対策の取り組みでうまくいっている事例があれば紹介してください。

南雲 中国や台湾では、テクノロジーを使って、個人情報と組み合わせながら感染拡大を防ぐ取り組みが奏功しました。プライバシーと健康のバランスについては、プライバシーを捨ててでも国民全体の健康を守るべきだという考え方もあればその逆もあります。どちらかに振れるのではなく、例えば、電車に乗る前に顔認証をすることなく体温を測定して知らせるなどデータをうまく組み合わることで両立が可能だということがわかってきています。

また、行政手続きの99%が電子化されているエストニアでは政府が主導してオンラインでのハッカソンが実施されました。世界40カ国以上の英知を集めてビジネスや教育における新しいソリューションが提案され、そのうちのいくつかが実践されました。日本ではみんなで自粛方針に従うという文化特性が光りましたが、これに加えて知恵を出し合って自由度を勝ち得る方法を考えるイノベーション側のモードを加速させることも大切ですね。

エストニアのイノベーションラボAccelerate Estoniaは、3月と4月に大規模なオンラインハッカソンを開催。コロナウイルス感染症と戦うアイデアを実現へと導いた

今井 おっしゃる通りだと思います。イノベーティブなアイデアをすぐに実践できるような環境を官民が連携して整えていく。こういった動きがもっと出てくればいいと思います。

南雲 そうですね。人類共通の危機に際しては知恵を持っている者同士がアイデアを出していくことが大切で、政府対市場というような古典的な考えから脱し、産官学民が協働して前に進む新しいモデルが不可欠です。

今井 コロナ禍の経験を経て、地方自治体は今後どのような姿を目指すべきだとお考えですか。

南雲 過密化した都市で多くの感染を引き起こしたことから、今後地方への移住が進んでいくことでしょう。その中で選ばれるまちになるためには、まずスマートシティ化ありきではなく、その手前で住みやすい、住みたいと思える魅力的なまちでなければなりません。

リバビリティで選ばれるまちに

海外ではまちを評価するのに徒歩およそ15分、距離にして半径約800メートルの範囲内に生活に必要なスーパー、病院、駅などの施設がそろっていると暮らしが充足し、そのまちへの愛着が深まるというような「住みやすさ」を表す「リバビリティ(Livability)」という概念があります。コロナ禍によってあらためてその概念が注目を集めています。例えば、公共交通の利用から自転車に移動方法をシフトすれば、感染リスクが下がるだけでなく、空気の質が良くなる、渋滞が緩和されるなどの良い生活環境の条件が新たに加わります。海外ではこの目的のために自転車道を整備するなどの取り組みを進め、リバビリティを高める政策が増えています。

リバビリティを高めるためには、まず自然が豊かであるという基層の上に生活を充足する施設がそろっていること。その上にデジタルを活用した予約制の導入、遠隔での診療、教育などソーシャルディスタンスを担保する技術の活用が求められます。

今井 コロナ禍への対応では自治体同士が連携することの重要性についても認識されました。

南雲 市民の生活圏は行政単位とは必ずしも一致しませんし、地震や津波などの災害を考えても行政単位での切れ目はありません。企業が自治体の事業に投資を行うにあたっても広域の枠組みのなかで投資をしたほうが高効率なのは自明の理です。例えば、企業が広域でその地域のデータプラットフォームを作り、その上に様々なアプリケーションを載せてイノベーションを推進していくやり方もその一つでしょう。そこに御社のようなデータプラットフォームを提供する企業が介在していくことになるのではないでしょうか。

ただ、株主を優先する企業と、市民に目を向ける自治体が共同で物事を進めようとすればおのずと矛盾が発生するので、自助、公助、そして共助の絶妙な組み合わせを実現する枠組みが必要だと思います。

イノベーションを起こすには日本人だけで変えていこうとしない発想も大事です。地方の魅力を生かして欧米やアジアから若い人を呼び込むことができればこれまで以上にイノベーションを起こせる可能性が増すでしょう。

今井 自治体の情報システムに携わる担当者が最新のデジタル技術を政策立案や、住民サービスに生かしていくためにはどうしたらよいのでしょうか。

南雲 デジタルプラットフォームはつまるところ、それを作り出す人のつながり、つまり人のプラットフォームの存在が前提となります。他の自治体の担当者とネットワークを作って情報やノウハウを共有する仕組みづくりもとても必要です。

今井 ご指摘の通り今回のコロナ禍では、自治体の間の連携やノウハウの共有が重要であることが再認識されたと思います。そのためには、きちんと情報を管理してそしてそれを可視化する仕組み(プラットフォーム)を活用したデジタルトランスフォーメーションが重要になると思います。

弊社のクラウドプラットフォームは、住民を中心に360度視点で全ての情報を1つの基盤で管理・運用できます。SaaS(クラウド)なので、短期間で必要な機能を実装できることも特徴です。また、行政のデジタルシフトに伴い、急務となっているIT人材の育成に対応するオンライントレーニングも提供しております。今後も様々な自治体の課題解決に力を注いでいきます。

 

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