時代を先駆ける5人の「働き方」を表彰 セルフターンアワード

東京ミッドタウン・デザインハブで開催された「地域×デザイン2018」の会期中に、日本人材機構が主催する「SELFTURN × Work Design Award」の表彰式が行われた。新しい働き方を実践しながら活躍するビジネスパーソンや企業が5部門で表彰された。

SELFTURN × Work Design Awardの受賞者5名によるトークセッションの模様

セルフターンアワードとは

「SELF TURN(セルフターン)」とは、日本人材機構の提唱している働き方の問いかけだ。「働き方=生き方」と捉え、自分自身(oneself)の可能性を最大限に生かせる仕事を探すこと。

企業規模や、報酬、働く場所に捉われず、「自分の生きがい」という本質を探し、働くことの意味を問い直す作業だ。

SELFTURN × Work Design Awardでは、セルフターンのロールモデルとなる、新しい働き方を実践しながら活躍するビジネスパーソン、またはそれを推奨する企業を5部門で表彰した。

ライフデザイン部門
NPO法人SOMA 瀬戸昌宣氏

ライフデザイン部門は、NPO法人SOMAの瀬戸昌宣代表理事が受賞。

瀬戸昌宣 NPO法人SOMA代表理事

瀬戸氏はコーネル大学で10年間農業昆虫研究者として活躍したのち、2016年に血縁も地縁もない高知県土佐町に移住。NPO法人SOMAを設立し、地域で教育事業を展開している。アメリカでは研究の傍ら公開授業や読書活動などの地域教育活動に関与し、子どもの大学進学率向上や都市経済の再生に成功。教育をトリガーにまちが大きく変わるという原体験から、日本に戻り、地域に学びの文化を残すというキャリアを選んだ。

現在、子どもから高齢者までが集まる「町の自習室 あこ」の企画運営や、林業を素材とした教育プログラムを推進中。「子どもから大人まであらゆる人の"育ち"に静かに寄り添いたい。学び方ではなく、生き方を提示したいと僕は思っているので、受賞は非常に嬉しい」と瀬戸氏は語った。

ソーシャルビジネス部門
パソナ東北創生 戸塚絵梨子氏

ソーシャルビジネス部門は、パソナ東北創生の戸塚絵梨子代表取締役が受賞した。

戸塚絵梨子 パソナ東北創生代表取締役

戸塚氏は東日本大震災をきっかけに新しい人生を切り拓いた。新卒でパソナに入社し、震災後は会社を休職して岩手県釜石市で復興支援団体の立ち上げに参画。復職後も「ボランティアではなく本業で被災地と繋がりたい」という思いが募り、パソナの社内起業制度に手を挙げ、釜石市でパソナ東北創生を起業した。現在、都市と地域を結ぶ研修ツーリズムや移住・起業の支援プログラムを推進している。

「自分が選択さえすれば今日からでも新しい生き方ができる。普通の生活の延長線上に、起業や地域へのチャレンジがある。それを知ってほしい」と戸塚氏は語った。

リモートワーク部門
ガイアックス 管大輔氏

リモートワーク部門は、ガイアックスのソーシャルメディアマーケティング事業部長である管大輔氏が受賞。

管大輔 ガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部長

管氏は26歳で事業部長に就任し、リモートワークやアウトソーシング、フレックスタイム制などをフル活用した大胆な「働き方改革」を実施。社員一人ひとりが仕事に集中しやすい環境をつくり、2年で事業部の売上高を5倍に成長させ、2年前まで38%あった離職率は0%になった。

リモートワークは多くの企業で実施されているが、生産性向上と社員満足度を両立したガイアックスのような事例は珍しい。管氏は「経営者ではなく僕のような中間管理職でも(働き方改革で)結果を出せることを多くの人に知ってもらいたい」と語る。

新事業・新産業部門
ファクトリエ 山田敏夫氏

新事業・新産業部門は、ファクトリエ(ライフスタイルアクセント)の山田敏夫代表取締役が受賞した。

山田敏夫 ファクトリエ(ライフスタイルアクセント)代表取締役

ファクトリエは、日本全国の技術と志を持った工場と直接提携し、中間業者を介さずに高品質な商品を適正価格で提供する、メイド・イン・ジャパンの工場直結ファッションブランドである。山田氏の実家は熊本市で100年続く老舗婦人服店。20歳でグッチ・パリ店に勤務し、「本物はものづくりからしか生まれない」と知ったことが、ファクトリエの起業に繋がった。

ファクトリエは全国に55の提携工場を持つが、昨年1年間で、提携工場では合計約100人の新規雇用が創出された。「アパレル品の国産比率はわずか3%です。斜陽産業をV字回復させるためにチャレンジを続けたい」と山田氏は語る。

デュアルワーク部門
ウエダ本社 岡村充泰氏

デュアルワーク部門は、京都・ウエダ本社の岡村充泰代表取締役が受賞。

岡村充泰 ウエダ本社代表取締役

同社はOA機器販売やオフィス空間設計を手掛ける「働く環境の総合商社」で、今年創業80周年を迎える。岡村氏はもともと輸入商社を起業・経営していたが、赤字続きだった家業のウエダ本社の再建に2000年から着手。「オフィス機器をただ売るのではなく、働く人に着目し、そのモチベーションを高め個性を活かせる環境をつくる」という経営スタイルにシフトし、見事会社を立て直した。

同社は、首都圏からの副業人材を積極的に受け入れ、自社の成長のエンジンとして活用している。また、社内起業や女性活躍でも先進的な取り組みをしている。こうした実績が高く評価され、本部門での受賞となった。

 

受賞者にトロフィーを手渡した日本人材機構の小城武彦社長は、「首都圏の人材が地方でもっと活躍し、一人ひとりが自分らしく働くようになれば、日本はさらに良い国になると確信しています。アワードの受賞者のように、皆さんもぜひ、自分自身の生き方や働き方を見つめ直し、地方でチャレンジしてほしい」と語った。

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株式会社日本人材機構
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SELF TURN オンライン
https://media.selfturn.jp/

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