SBIトレーサビリティと白鶴酒造、NFCタグとブロックチェーンで日本酒の真贋確認 高級純米大吟醸に導入
SBIトレーサビリティ株式会社は、ICタグとブロックチェーンを活用したトレーサビリティサービス「SHIMENAWA(しめなわ)」を、酒類メーカーの白鶴酒造株式会社が販売する高級日本酒に導入したと発表した。SHIMENAWAは、ICタグ(RFID/NFC)とブロックチェーン技術を用いて現物資産などに固有のIDを付与し、真正性の確認、利用・配布履歴の記録、タグを経由したデジタルコンテンツの配信、入出荷・在庫管理などを行えるサービスである。
今回導入するのは、「超特撰 白鶴 天空 袋吊り 純米大吟醸」の「山田錦」「白鶴錦」の2種類。開封検知機能付きのNFCタグを封緘紙に組み込み、消費者はスマートフォンをタグにかざすだけで、専用アプリを使わずに商品の真正性や開封の有無を確認できる。タグへのアクセス情報はブロックチェーン上に記録・管理される。
体制面では、商品に貼付するロゴ入りの専用NFCタグを、タグ開発を手がける株式会社Uni Tagと共同で開発した。SBIトレーサビリティがSHIMENAWAの基盤を提供し、白鶴酒造が自社商品への導入を担う形で連携する。
背景には、近年の日本酒の海外需要の拡大に伴い、偽造品や不正流通への対応が求められている状況がある。とりわけ海外市場では高価格帯商品の需要が高まっており、品質やブランド価値の維持とともに、正規に流通した商品であることを担保することが重要な課題となっていた。高級商品はブランド毀損や信頼低下のリスクが相対的に高く、製品そのものの品質に加えて、流通過程における透明性の確保が課題となる。スマートフォンをかざすだけで真贋や開封の状態を確認できるSHIMENAWAは、こうした課題に応えるものと位置づけられる。
海外での展開にあたっては、こうした真贋対応に加え、購買後の消費行動に関するデータが十分に取得できていないことも、今後のマーケティング施策を検討するうえでの制約となっていた。海外の飲食店や酒販店における商品取り扱いの実態や、消費者による情報アクセス行動の把握も、継続的な課題として認識されてきた。タグへのアクセス情報をブロックチェーン上に記録・管理する今回の仕組みは、真贋確認にとどまらず、こうした海外流通の実態をとらえる手立てともなり得る。両社は、これにより高付加価値商品の流通における信頼性の確保やブランド価値の保護と正規流通の可視化を実現するとともに、海外市場におけるトレーサビリティ強化および不正流通対策に貢献するとしている。