育種・遺伝資源大国の日本を世界へ ハクサン藤原雅志常務が語るGREEN×EXPO

(※本記事は「JAcom 農業協同組合新聞」に2026年7月16日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

賀来宏和氏(左)と藤原雅志常務(右)
賀来宏和氏(左)と藤原雅志常務(右)

2027年国際園芸博覧会関係者のインタビューシリーズ第14回は、ガーデンを出展するハクサンの藤原雅志常務に聞いた。聞き手は、2027年横浜国際園芸博農&園藝チーフコーディネーターで千葉大学大学院客員教授・賀来宏和氏。

ハクサンが出展する「PWガーデン」のイメージ
ハクサンが出展する「PWガーデン」のイメージ

同社は世界的な植物ブランド「PW(プルーブンウィナーズ:PROVEN WINNERS)」 の品種を中心に、約500平方メートルの「PWガーデン」を出展する。アニュアル(一年草)、ペレニアル(宿根草・多年草)、シュラブ(低木・庭木)を組み合わせ、ローメンテナンスで楽しめるサステナブルガーデンを提案する。

PWはグローバルチーム

賀来 PWとハクサンの事業について教えてください。

ハクサン・藤原雅志常務
ハクサン・藤原雅志常務

藤原 当社は園芸植物の品種を日本の生産者や市場、販売店、そして生活者へ届けており、その中心がPWです。園芸ファンにとってPWは「育てやすく、安心して選べる植物ブランド」として認知されていますが、実は世界の約20社が連携して育種開発を行うグローバルチームでもあります。育種というと交配のイメージが強いかもしれませんが、実際には、交配から生まれた膨大な候補の中から、暑さや雨、病気への強さ、花付き、草姿、連続開花性、管理のしやすさなどを、様々な環境で何年もかけて試験し、選抜していく必要があります。一社だけで完結するのではなく、各国の気候や市場を知るメンバーが知見を持ち寄るところにPWの強みがあります。そうして生まれた品種の価値を生活者に伝えるうえで、当社ではアンバサダーの仕組みも大切にしています。

賀来 アンバサダーについても教えてください。

藤原 アンバサダーシステムは何年もかけて構築し、現在は全国に何百人ものアンバサダーがおられ、毎年数千人の応募があります。大切にしているのは、メーカーが消費者へ一方的に伝える関係ではなく、実際に植物を育てている人が、同じ消費者の目線で他の消費者へ園芸の楽しさを伝えていくことです。庭や鉢植えでの使い方、季節ごとの変化、育てる喜びを発信していただくことで、植物の魅力がより身近に伝わります。目的は単なる販売促進ではなく、消費者同士の共感を通じて、園芸の輪を広げていくことです。

植物には環境課題にも有効

賀来 37年前の国際園芸博覧会(大阪花博)がアジアで初めて開かれた当時は、ガーデニングも黎明期でした。当時の中曽根総理が「緑の三倍増構想」を打ち出したことが、わが国開催の契機でした。本来は園芸や造園の産業振興を通じて花や緑にあふれる豊かな国になることが目的です。

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