NTTドコモ 取引の割戻金の照合をAIで自動化するRebateXをスピンアウト
NTTドコモは2026年9月1日、サプライチェーンの取引上で発生するリベート(割戻金)の照合計算をAIで自動化するWebアプリケーション「RebateX(リベートエックス)」をスピンアウトしたと発表した。同サービスの運営会社、Transmute Technologiesが同日から事業を開始した。代表取締役社長にはドコモでAIプロダクト開発・新規事業創出を手がけてきた玉城貴也氏が就任、資本金は300万円で本社は東京都渋谷区に置く。出資はNew Commerce Venturesとドコモが行う。RebateXは、グループの新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」による社員の発案から生まれた事業だ。
メーカーや卸売企業の営業現場では、販売促進などを目的に取引先へ支払うリベートについて、請求内容が見積書や納品実績と一致しているかを確認する「照合計算」が日常的に発生している。リベートの条件や計算方法、請求書・見積書・納品書などのデータ形式は取引先ごとに異なるため、担当者が目視や表計算ソフトで確認しているケースが多く、営業現場の大きな負担となっていた。
RebateXは、こうした複雑な照合計算をAIで自動化し、請求金額、リベート単価、納品数などの差分を分かりやすく可視化するWebアプリケーションだ。利用企業は現在使っている請求書・見積書・納品書などのデータ形式を大きく変えることなく、必要なデータをアップロードするだけでよい。RebateXがAIで内容を読み取り、リベート条件や請求金額、納品数などを照合する。消費財メーカー3社との事前検証では、月に最大1週間を要していた照合計算を9割以上削減できることを確認したほか、請求金額のずれの把握や取引の透明性向上にもつながることを検証したという。
将来的には、照合結果をもとに取引先別・ブランド別・商品別などの単位でリベート実績を可視化し、取引先との交渉や販促費の管理、社内での予実管理に活用できるようにする。さらに蓄積されるリベート関連データや計算結果を活用し、リベート予算配分の適正化に向けた示唆、需要予測、より効果的なリベート条件の検討、取引業務の自動化などへ提供価値を広げる方針だ。RebateXは「あらゆる取引のもつれをなめらかにする」という理念のもと、サプライチェーンにおける取引業務のDXに取り組むとしている。