「地域とは何か」から問い直す 地域活性ワークショップ開催

事業構想大学院大学 NEWS&TOPICS

事業構想大学院大学大阪校は、公開イベント「地域の“いま”を見つめ、次の一手を構想する―課題・資源・関係者から考える地域活性ワークショップ―」を開催した。講師は大阪校の田村典江准教授。「地域とは何か」「活性化とは何か」「成功とは何か」を問い直す講義と、参加者同士のラウンドテーブルを組み合わせ、地域の未来を構想する視点を探った。

人口増加や移住促進、観光振興、企業誘致など、地域活性化をめぐっては分かりやすい指標が重視されがちだ。一方、地域の「成功」は企業の売上や利益のように一つの尺度では測りにくい。田村准教授は、地域を単なる行政区域や資源の集合ではなく、人、場所、歴史、関係性が重なり合う固有の場として捉える必要性を説明。他地域の成功事例をそのまま移すのではなく、気候や地理、歴史、制度、生活圏など、地域ごとの文脈やスケールを理解することの重要性を示した。

さらに、地域経済では外から稼ぐだけでなく、域外への富の流出を防ぐ「地域内循環」の視点を紹介。人口減少を所与の条件としながら、「何を残したいのか」「何を育てたいのか」を考えること、担い手を地域住民だけに限定せず、内外を行き来する関係人口を含めて捉えることにも触れた。後半のラウンドテーブルでは、参加者が「私にとって大切な地域」を紹介し、その地域の魅力を「風土」「くらし」「営み」「人と文化」の4つの観点から整理。対話を通して、一つの魅力が複数の意味を持つことや、同じ地域でも見方によって価値の捉え方が異なることを確かめた。プログラムの最後には「2040年。人口は減り、行政予算も増えていない。それでも地域は元気」という前提から、そこにある風景、人、関係性を想像した。課題から解決策へ急ぐのではなく、望ましい未来から逆算して、地域の資源や担い手、次の一手を構想する。それぞれの地域への視点を持ち寄り、地域を見る解像度を高め、思いを行動につなげる時間となった。

8月1日・3日に大阪校とオンラインで開催した本イベントには全国から約90名が参加した。

現役院生の声

やりたい気持ちには賞味期限がある
仕事・育児・大学院への挑戦

小島 恵子(こじま・けいこ)
積水ハウス
名古屋校15期生(2026年度入学)

会社で技術系の業務に携わり、現在は自社工場と現場をつなぐ調整役を担っています。少子化など社会や業界の変化を前に、与えられた仕事をこなすだけでなく、自ら新しい価値を生み出せる人材になりたいと考え、会社の高度学習支援制度を活用して入学しました。

実際のところ仕事・育児・大学院の両立は綱渡りです。それでも家族や職場の協力を得ながら、状況に応じて校舎受講とオンライン受講を使い分けるなど工夫をしています。大学院での学びから仕事で課題を見る視点も大きく変わってきました。特にリベラルアーツを通して、社会が多様な価値観の上に成り立っていることを実感しています。同期や先輩との対話も刺激的で、自分の考えが広がっていく毎日にワクワクしています。「やりたい」という気持ちには賞味期限があります。そう思ったときが挑戦する一歩を踏み出すタイミングなのだと思います。

異業種との対話が
業界の当たり前を問い直す

福元 直樹 (ふくもと・なおき)
海力 新規事業担当
東京校15期生(2026年度入学)

長年、自社で新規事業を推進してきましたが、その手法は独学に近いものでした。AIやDXの台頭により社会構造が急変する中、従来の成功体験に頼る限界を感じ、最新の知見を体系的に修得すべく本学へ入学しました。各分野の最前線に立つ実務家や研究者から学べる環境に加え、修了後も継続するネットワークの存在も大きな魅力でした。

講義で理解したつもりでも、実践的なグループワークに臨むと自身の未熟さを痛感させられます。先生方は安易に答えを与えず深い気づきを促してくださり、高い志を持つ院生との議論から強い刺激を得ています。保守的な傾向がある海運業界において、既存の枠組みにとらわれない視点は不可欠です。多様な背景を持つ仲間との協働を通じ、思考のバイアスを外す重要性を学びました。在学中の2年間は、あえて挑戦と失敗を重ね、将来の事業化に向けた予行演習の場として使い切りたいと思います。

 

事業構想大学院大学

●事業構想研究科

事業構想コース
事業承継(次世代経営構想)コース

●学位

事業構想修士(専門職)
英文学位名称:MPD
(Master of Project Design)

●対象者

新規事業を作り上げたい人
承継者、承継予定者
創業経営者、現経営者
企業内起業を目指す人
起業・スタートアップを志す人
地域活性事業を志す人

●校舎

東京・名古屋・大阪・福岡・仙台

9月26日(土)
全校オープンキャンパス
開催<詳しくはHPへ>
https://www.mpd.ac.jp/events/opencampus20260926