現場と政策をつなぐ「翻訳者」として社会を動かし、環境問題へ挑む

一羽の鳥との出会いから育まれた「社会の仕組みを変えたい」という思い。坂野晶は、徳島県上勝町で培ったゼロ・ウェイストの知見を携え、行政、企業、住民、研究者の言葉をつなぐ「翻訳者」として、地域ごとの課題に向き合い、資源が循環する仕組みを形にしてきた。小さな町での挑戦が、今、より大きな社会を動かそうとしている。

文・油井なおみ

 

坂野 晶(一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン 代表理事)
撮影協力/PARLORS

一羽の鳥が教えてくれた
変えるべき社会の仕組み

最初のきっかけは、幼稚園のころに出会ったセキセイインコだった。

「たまたま拾って飼ううちに、鳥にドハマりしまして。鳥ばかり見ている子どもでした」

小学生で絶滅危惧種のオウム、カカポを知り、環境問題に関心を持った。自然や生態系を守りたいと考えるうちに、その問題の背景には森林を破壊し、生態系を変えてしまう人間の社会システムがあることに気づいたという。

「自分が一生をかけてひとつの地域やひとつの種を保全しようとしている間に、多分ほかで100種類以上の生物が絶滅するだろうなと思ったんです。それを変えるにはどうしたらいいんだろう、という問いを続けていました」

個別の種の保全だけでなく、人間社会の仕組みを変える必要がある。その思いから大学では政策を専攻した。

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