やまやま 社会課題を解決しながら親子を笑顔に

大阪から和歌山に移住した三児の母・猪原有紀子氏が率いるやまやま。和歌山県内の農家で廃棄されていた規格外フルーツや耕作放棄地を活用し、地域に雇用を生みながら、「子どもにとっていい社会をつくる」というゴールを目指して事業を拡大させている。同社の事業発展の経緯と今後の構想を聞いた。

猪原 有紀子(株式会社やまやま 代表取締役)

自身の子育て経験から生まれた
無添加おやつ事業

高野山のふもとにある和歌山県かつらぎ町で、無添加おやつ事業と自然体験施設事業を軸に、ソーシャルビジネスに取り組んでいる株式会社やまやま。創業のきっかけとなった子ども用おやつ「無添加こどもグミぃ~。」は、SNSによる集客とサブスクリプションモデルの通販により、現在累計販売数5万袋を突破。また、800坪の耕作放棄地を整備した自然体験施設「くつろぎたいのも山々」は、週末は子連れ限定のキャンプ(1日5組限定)やブルーベリー狩り、烏骨鶏とのふれあいなどが楽しめ、年間3000人以上の家族連れが訪れている。

同社創業者の猪原有紀子氏は、日本アントレプレナー大賞とソーシャルビジネス部門賞をW受賞するなど、社会起業家として高い評価を得ている。

「自分がやってきたことがソーシャルビジネスだと気づいたのはつい最近で、昨年末ぐらいでしょうか。子どもがおいしく食べられて健康にも良く、安心して与えられるお菓子がないと悩んでいた、親としての原体験がきっかけで起業しました」

猪原氏は大学卒業後、大阪の会社でEC関連のマーケティングに従事。2014年に長男を、2015年に次男を出産し、育児のストレスにさいなまれていた頃、移住した和歌山県で廃棄柿と出合った。

「当時は、カラフルなグミが大好物の長男から菓子をねだられるたびに、鬼の形相で叱っている自分に嫌気がさしていました。廃棄された柿を見て、ノウハウもないのに『これだ!これで天然素材のお菓子ができる』と思いつきました。そこで、農家さんにいきなり電話をかけて、『廃棄する柿を買わせていただけませんか?』とお願いしました。しかし、どこからも快い返事はもらえませんでした」

普通ならここで諦めてしまいそうなものだが、猪原氏のプレゼン活動はここから2年間続いた。段ボール箱を開いた紙板に写真などをコラージュし、「自分はこんなおやつで、こんな人を幸せにしたい」と、真っ赤な文字で書き込んだプレゼンボードを作成。ママ友に見せるだけでなく、役場に持ちこんで、町長、教育長、産業観光課の担当者にも直談判していった。やがて、“大阪から来たユッコちゃん”は地域で知られた存在になり、少しずつ人を紹介してもらえるようになったという。

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