白浜館 多様な滞在スタイルを実現し、地域を活性化
和歌山県の南紀白浜温泉に2023年4月、株式会社白浜館の中核を担う全世代型リゾートホテルがリニューアルオープンした。地域経済活性化やワーケーションの拠点として、地域内外の人の呼び込みに意欲的だ。同社代表取締役社長の中田力也氏に、その経営戦略と今後のビジョンを聞いた。
雄大な太平洋を望む
南紀白浜温泉の老舗ホテル
白浜館が運営する創業56年のリゾートホテル「SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE(シラハマ キーテラス ホテルシーモア/以下、ホテルシーモア)」 は2023年4月、雄大な太平洋を望むインフィニティプールや、サウナハウス、ジムをホテル敷地内に新設し、ウェルビーイングな複合施設として大きく生まれ変わった。
代表取締役社長を務める中田力也氏は、同社の3代目に当たる。アメリカ留学を経て、祖父が創業した白浜館に1995年に入社し、2004年に30歳で2代目の父から社長の座を引き継いだ。以来、グループ内でさまざまな事業改革を行ってきたが、その核となるのがホテルシーモアの大規模リニューアルだ。同ホテルに耐震工事の必要が生じた2018年、中田氏いわく「第二創業期のつもりで」全面リニューアルを敢行。名称も従来の「梅樽温泉 ホテルシーモア」から変更した。
ハード面の刷新はもちろんのこと、特にリニューアル以来、中田氏が心を砕いてきたのは、宿泊客一人一人のニーズに細やかに応える宿泊サービスを提供することだ。
「以前であれば、『こういう層のお客様にはこうしたサービスを』といったカテゴリー別の発想がありましたが、今の時代はもはやそれでは通用しません。当社の営業部隊は、例えばバイクツーリングの愛好家やアニメ好きの方々など、さまざまなコミュニティにヒアリングを重ねています。フェラーリのような高級車オーナーの方々にヒアリングした際には、周辺道路の走りやすさや、メンテナンス環境の有無を気にされることがわかりました」
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