ソマノベース 和歌山から、日本の林業と防災を変える

奥川季花氏は2019年、自身の被災体験も踏まえて「土砂災害リスクの低い山林を増やす」というミッションを掲げ、田辺市でソマノベースを創業。事業を通して林業事業者と他業界をつなぎながら、防災、森林保全を進めていこうとしている。同社の事業発展の経緯と今後の構想を、奥川氏に聞いた。

奥川 季花(株式会社ソマノベース 代表取締役社長)

紀伊半島豪雨での被災経験が
起業のきっかけに

2011年9月4日に発生した紀伊半島豪雨は、各地で土砂災害を誘発し、和歌山県内だけで死者・行方不明者は61人に達した。当時高校生だった奥川氏は「私自身が被災し、後輩が犠牲になったことが、防災で地域に役立つことをしたいと考えるきっかけになった」と語る。

「もともと子どもの頃から、いつか自分で事業を起こしたいと考えていました。大学時代には、大手企業が主催するビジネスコンテストの運営に携わったほか、ゼミではマーケティングによって行動変容を促すソーシャルマーケティングを学びました。大学在学中の2017年に和歌山県内で再び台風被害が発生したことを機に、防災と林業をテーマに起業したいという思いが一層強まっていきました」

奥川氏は大学卒業後、ソーシャルビジネスの会社を経て、2019年に独立。ソマノベースを設立し、「林業を通して土砂災害リスクの低い山林を増やす」というミッションを掲げ、2019年から「MODRINAE(戻り苗)」の事業を開始した。並行して、和歌山県内の造林会社や、土砂災害の広報を手がけるNPOにも籍を置き、林業と土砂災害を取り巻く現状の把握に努めた。

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