まちびらきから10年 スマートシティの先駆者、Fujisawa SST

くらし起点の発想で持続可能な街づくりを目指す「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)」が、2014年の街びらきから10年を迎えた。ここをフィールドに、環境、エネルギー、安心・安全に向けた先進的な実験が実施されてきた。十周年を機に、次の新たなステージに踏み出そうとしている。

Fujisawa サスティナブル・スマートタウン

工場に代わる新しい地域貢献の形
「くらし起点」で街づくり

社会や経営環境の変化の中で、企業の不動産を積極的に活用し、価値を高める取り組みが注目されている。パナソニックグループは藤沢市との協議のもと、地域のポテンシャルや特性を活かし、課題解決もできる新たな街づくりを進めている。

JR藤沢駅からバスで15分ほどのFujisawa SSTの敷地は、もともと松下電器(現パナソニックグループ)が1961年に関東に初めて進出した藤沢工場があった場所で、南北300m、東西600mの広さがある。このスマートタウン誕生のきっかけは、2009年の工場撤退に伴いパナソニックが、工場に代わる新しい地域貢献の在り方として、人々が暮らす街づくりでこれからも地元にかかわり続けようと考えたこと。新しい貢献には3つの視点で取り組んでいる。事業価値では、パナソニックの先進的製品の導入や家電製品以外にも幅広い技術やソリューションを導入拡大していくこと、財務価値では、SSTとして開発することで、敷地や地域の魅力や利便性を高め、空間価値や財務的な価値の向上を目指している。周辺への地域貢献では、地域課題の解決を図りながら魅力や住みやすさに繋げていくため、技術・商品力をもとに企業や行政や大学との連携でスマートタウンを開発していくことを打ち出した。(図1)

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