「餅は餅屋」が宇宙利用のカギ 視覚障がい者ナビに衛星活用

衛星リモートセンシングデータを活用した事業開発が、さまざまな領域で拡大している。Ashiraseは衛星測位を用いた視覚障がい者向けナビゲーションシステムを開発している。非宇宙ベンチャーが衛星データ利活用を進める際のポイントとは何か。

千野 歩(Ashirase 代表取締役)

足元への振動で
視覚障がい者を安全にナビゲート

Ashiraseの開発する視覚障がい者向けナビゲーションシステム「あしらせ」は、デバイスを靴に装着し、靴の中での振動によって聴覚を邪魔せずに視覚障がい者を誘導するシステムだ。歩行ナビゲーションには衛星測位手法が活用されており、2022年10月の事業化を目指して急ピッチで開発が進められている。

視覚障がい者向けナビゲーションシステム「あしらせ」

Ashirase代表取締役の千野歩氏は、本田技術研究所でモーター制御技術や自動運転システムの研究開発に携わってきた。親族を歩行中の交通事故によって亡くした経験から、視覚障がい者向け歩行ナビゲーションシステムを発想し、本業の傍ら社内外のメンバーと開発に着手。2021年4月、本田技研工業の新事業創出プログラム「IGNITION」発第1号スタートアップとしてAshiraseを設立した。千野氏を含め主要メンバー3人は全員エンジニアだ。

「あしらせ」が主なターゲットとするのは、視覚が若干残っている「ロービジョン」の人々だ。ロービジョンは全盲者に比べて生活や移動の支援が受けづらい状況にあり、ヘルパーや盲導犬に頼らず単独歩行するケースが多い。その際は、残存視覚や聴覚、杖、足の裏といったインターフェイスを使うが、ルート確認のためのスマートフォンやタブレットも必須だ。しかし、ルート確認に追われて安全確認が疎かになり、危険に遭遇することも少なくない。

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