コロナ禍で変わる都市と地域のパワーバランス DXで課題は解決

岸田首相が2021年10月の所信表明演説で打ち出した「デジタル田園都市国家構想」。誰も予測しえなかったコロナ禍により、東京一極集中の流れが逆転の兆しを見せ始めた中で、テレワークによる地方での豊かな暮らしや、生活上の課題を解決するデジタル実装を後押ししていく。

髙原 剛(内閣官房 デジタル田園都市国家構想 実現会議事務局 事務局長)

政府のデジタル田園都市国家構想実現会議は、2021年12月、デジタル田園都市国家構想の全体像を発表した。ここでは、地方が抱える課題を、デジタル実装を通じて解決することを目指し、2021年補正予算と2022年当初予算を合わせて5.7兆円を投じるとした。地域の活性化とデジタル化に向けた巨大プロジェクトといえる。デジタル田園都市国家構想実現会議事務局・事務局長の髙原剛氏が、同プロジェクトのビジョンや目指す方向性を語った。

コロナ禍で東京23区が転出超過に

2014年のまち・ひと・しごと創生法の施行から、第1期・第2期の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定などを経て、各地域はそれぞれの魅力を高め、人口減少に歯止めをかけようとしてきた。それでも東京一極集中の流れは止まらず、打開策の模索が続いた。ところが新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、2021年には変化が表れ始めた。この年、東京23区の人口は、統計を現在の形で取り始めた2014年以来初めて、約1万5000人の転出超過となった。日本人のみを対象としていた過去の統計期間を含めると、東京23区の人口が減ったのは、1996年以来の出来事だ。

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