埋もれた技術(ヒト)に光を当てる フィールド提供型 地方創生

からやぶり道場では「社会実証・実装フィールド提供型 地方創生プログラム」に注力し、沖縄、高知、広島をはじめ地方の協創ハブと連携し、社会実証・実装フィールドを求める企業との協創に取組んでいる。社会実証・実装のネックであるフィールド確保にスコープした思いや実践について南形氏に聞いた。

南形 潔賜 からやぶり道場主宰 (アクシスコーディネート株式会社 代表取締役社長)
聞き手 : 小宮 信彦 事業構想大学院大学 特任教授、電通 ソリューション・デザイン局 2025事業推進グループ統括チーフ・ビジネス共創ディレクター

実際にフィールドと企業がともに現地を視察できることがプログラムの特徴の1つ。写真は沖縄フィールドでの現地視察の一幕。写真の下段右下が南形氏

小宮 からやぶり道場の設立経緯とそこに込めた思いをお聞かせください。

南形 原点はデンソーで世界基準となったバーコード(QRコード)事業拡大に関わった実体験です。バーコードは「埋もれた技術」でした。本業の自動車業界とは異業種のPOSレジ事業者と連携したことで売上げは急拡大して業界トップシェアを獲得しました。私自身も29歳でドイツ駐在事務所長を拝命し、ドイツ語圏での事業拡大に貢献しました。

一方でバーコード以外にも数多くの休眠特許はじめ「埋もれた技術」が埋もれたままになっている現状に触れ、デンソー社員という制約を超え、広く世間の「埋もれた技術(ヒト)に光を当てたい」と強く思い23年前に35歳で脱サラ。裸一貫で上京して起業し、事業協創コーディネートコンサルを軸として当社を創業しました。企業に所属しているイノベーターが個社の枠(殻)を破って自由闊達に事業協創できるプラットホームとして「からやぶり道場」を立ち上げて運用しています。メンバーは現在約1900名です。既成概念の殻を破ってブレイクスルーさせる事でイノベーションや新事業創出するという意味を「からやぶり」という言葉に込めました。

現在からやぶり道場では「社会実証・実装フィールド提供型 地方創生プログラム」に取り組んでいます。事業フィールドを持つ一方で資金不足などの課題があり、なかなかイノベーションを興せていない地方の事業者や団体と、社会実証・実装フィールドを求める企業とをからやぶり道場が直接つなぎ、フィールド側・企業側と連携して地域創生の取組を共創するプログラムです。広島・沖縄・高知などで地元の大学や空港が協創ハブとなり活動をしており、大阪・関西や群馬、愛知・中部圏などで導入準備中で、今後全国に順次拡大していきます。

からやぶり道場プラットホーム利用料は企業にご負担頂き、地方の事業者や団体からは利用料を頂かないビジネスモデルです。

からやぶり道場のビジネスモデル。参加企業と地方創生フィールドを仲介する

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