2020年11月号
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事業構想10ヶ条

決断はリーダーの使命 「切り捨てる勇気」が問われる

唐池 恒二(九州旅客鉄道 代表取締役会長、事業構想大学院大学 特別招聘教授)

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日本電産・永守重信氏や松下電器・松下幸之助氏に象徴されるように、事業構想を成功に導くためには、リーダーの決断力が重要になると筆者は説く。そして、決断とは、優先順位の低いものを切り捨てる勇気であると語る。

リーダーとして身に付けるべき重要な資質の一つに、決断力がある。また、事業構想にあたってリーダーの決断力が最後にものをいう。

決断力は、常時用いるものではないが、ここぞというときに、限られた時間と条件の中でリーダーに求められるものだ。そのため、他の資質よりも瞬発力が必要となる。

通常のビジネスでは、リーダーが決断しなければいけないときは、しょっちゅうやってくるわけではない。しかし、いったん有事となれば、みんながリーダーの決断力に大きな期待を寄せる。

有事とは、大きな危機に直面したときや、岐路に立ちこれからの進路を決めなければいけないときだ。

この大事なときに決断できるリーダーはみんなから信頼されるようになる。

成功した事業構想に共通するのが、 リーダーの決断力である。

永守重信氏の決断

高収益企業として知られる日本電産が、2013年3月期決算で前期比80%減という大幅な減益となった。

右肩上がりで伸びてきた主力事業の精密モーター部門が初の減収となったのが響いた。精密モーターの主戦場であるパソコンのハードディスク市場が、スマホやタブレット端末の躍進により出荷台数が鈍化したためだ。

このときの、というより、この決算期末の半年前の永守重信社長の決断が同氏と同社の新たな伝説を生んだ。

永守氏は、市場低迷の予兆を12年秋にはすでに察知し、すぐに経営改革に取り組むことを決意した。

その年のうちに、過剰になった精密モーターの生産設備を一挙に減損して資産を圧縮することを即断した。

同時に、永守氏は会社全体の事業構造の抜本的な改革に取り組んだ。精密モーター事業に頼り切った事業構造からの脱皮を図り、「車載用モーター」、「家電・商業・産業用モーター」、「関連機器などその他製品」の三つの事業を育成・拡大し、「精密モーター」とあわせて四本柱の事業構造にしていこうというものだ。

さらに、三つの事業に強い海外企業をM&Aで日本電産グループに取り込むことを決断した。

翌年度以降の決算内容を見ると、永守氏の決断の正しさがわかる。

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