トリドールの「超高速」海外展開 秘訣はローカルバディ」

国内市場の急速な縮小の中で、海外展開の推進は2023年の重要な経営テーマと言える。丸亀製麵などを展開するトリドールホールディングスは海外パートナーとの密接な連携によりスピーディーな海外展開を実現している。取締役副社長兼COOの杉山孝史氏が語る秘訣とは。

杉山 孝史 トリドールホールディングス 取締役副社長兼COO

全世界5500店舗を目指す

讃岐うどんチェーンの丸亀製麺を筆頭に、国内外に18の外食ブランドを持つトリドールホールディングス。「日本初の日本発No.1グローバルフードカンパニー」の実現をビジョンに掲げ、急ピッチで進めているのが海外出店だ。

トリドールは2021年に発表したグローバル戦略で、2028年3月までにグループ全体で海外4000店舗(国内外計5500店舗)の実現という目標を打ち出している。2022年11月現在の海外店舗数は674店舗。高い目標数値に思えるが、同社取締役副社長兼COOで、グローバル戦略の責任者の杉山孝史氏は「通過点に過ぎない」と言い切る。

「マクドナルドやスターバックスといったグローバル飲食チェーンの多くが1万店舗を超え、そのうち上位3社は3~4万店舗に達しています。そういった意味では、5500店舗は到達可能な目標であり、フランチャイズ(FC)展開を強化することで店舗拡大を加速させる計画です」

成功のカギを握るのは
「ローカルバディ」との連携

グローバル戦略のカギを握るのが、世界中の「ローカルバディ」との連携だ。単なるパートナー関係ではなく、同社の理念やビジョンに共感し、特定の地域で成功体験やレストラン運営のケイパビリティを持つ彼らと強固な関係を築いていると杉山氏は主張する。

「すでに北米、欧州、アジアの3地域には強力なバディを擁しています。このバディが各地域でブランドを運営し、成功モデル店舗を確立する。そして、成功体験を踏まえ、各地域でFCの獲得と支援を推進するという体制が構築されています」

ローカルバディには、欧州スターバックス成功の立役者などが在籍する外食のプロ集団「Capdesia」をはじめ、外食に特化した米国ファンド「Hargett Hunter」、シンガポールや香港で活躍する外食グループ「EN GROUP」が名を連ね、各地でバディ開拓が進んでいる。

「海外展開にありがちな、『後はパートナーにお任せ』ということはせず、私達の分身として一緒に作戦を練り、それをアップデートしていく取り組みを継続してきました。その結果、ブランド展開のみならずM&Aの機会を紹介してくれるなど、様々な協業の輪が広がっています」

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