月面への挑戦と今後のビジネスチャンス 人類の生活圏を宇宙に拡大

宇宙スタートアップ企業、ispace(アイスペース)は月面資源開発を目的に、ランダー(月着陸船)やローバー(月面探査車)の設計・開発と、その打ち上げに挑戦している。宇宙開発では急速に民間企業の活躍の場が広がっており、すべての産業にビジネスチャンスがあるという。

野﨑順平(株式会社ispace 取締役&CFO)

東証グロース上場の
月面探査スタートアップ

2010年創業の宇宙スタートアップ企業、株式会社ispaceは、「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」を長期ビジョンに掲げ、ランダーやローバーの設計・開発に取り組んでいる。2023年4月には、東京証券取引所のグロース市場に上場した。

「私たちのランダーは基本的に無人で、スタートアップとしてより安いコストで製造し、月への定期輸送を行う事業を構想しています。現在、月へ荷物を運びたいお客様から荷物を預かる、宅配事業のビジネスを主力にしています。将来的には地球と月を1つにするエコシステムを作り、経済活動を生み出したいと考えています」

株式会社ispace 取締役&CFOの野﨑順平氏は、事業の構想についてこう語る。ispaceが現在、進めている月面探査プログラム「HAKUTO-R」は、自社開発のランダーとローバーで月面着陸と月面探査のミッションに挑戦するものだ。2022年は米SpaceX(スペースX)社のロケット「ファルコン9」を使い、ミッション1(月面着陸ミッション)のランダーを打ち上げた。そして2023年4月には、同ランダーで民間世界初となる月着陸を試みたが、着陸成功には至らなかった。来年はさらに、ミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げにも挑戦する予定だ。

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