新品種から商品開発まで 米の新規需要に挑む農研機構とグリコ栄養食品

(※本記事は「JAcom 農業協同組合新聞」に2025年5月1日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

米の新規需要開発とそれを支える品種改良の最前線が、第4回お米未来展で報告された。

4月15~17日、東京ビッグサイトで「米消費拡大に向け米産業のイノベーションによる新たな需要創造を目指す」をテーマに第4回お米未来展が開かれた(日本食糧新聞社主催)。同未来展の特別セミナーで農研機構食品研究部門 食品流通・安全研究領域 流通技術・新用途開発グループの荒木悦子グループ長が、米粉用途向けの新品種開発と米粉バリューチェーン構築の取り組みを報告した。

米粉用に11品種開発―農研機構

農研機構では、2008年の米粉麺向き品種「越のかおり」、2009年の米粉パン向き品種「ミズホチカラ」の開発を皮切りに、これまで米粉用途向けに11品種を開発してきた。

「ミズホチカラ」の米粉パン 画像提供:熊本製粉(株)
「ミズホチカラ」の米粉パン 画像提供:熊本製粉(株)

品質、収量、病害抵抗性

ミズホチカラの後継の「こなだもん」は、米粉の損傷デンプンが少なくパンに向くが収量が少ない。同じくパンに向く「ゆめふわり」は気象条件によってアミロース(デンプンの一種)含有量が変動し加工品の品質安定が難しかった。パンケーキとパンに向く「笑みたわわ」は収量も良く早めに収穫できる(普及適地は近畿以西)。米粉パンや菓子のやわらかさを保つ「やわらまる」はいもち病、縞葉枯病に弱い。

「笑みたわわ」の米粉パンケーキ
「笑みたわわ」の米粉パンケーキ

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