行政機関の業務を迅速・簡単・セキュアに電子化「pipitLINQ」

三島市は2020年度から、NTTデータ提供の預貯金照会業務の電子化サービス「pipitLINQ」を導入。照会業務の効率化・迅速化を実現し、コロナ禍でも滞りなく滞納整理を行い、収納率アップに成功した。

pipitLINQ(ピピットリンク)は、行政機関と金融機関をセキュアにつなぎ、統一フォーマットの電子データによる効率的な預貯金の照会業務を実現するサービスだ。

静岡県三島市は2020年4月に本サービスを導入した。もともと三島市の市税収納課では、金融機関への預貯金照会を含めた財産調査を年間のべ約3万件行っていた。預貯金照会は書面で行われており、大きな手間とコストがかかっていたという。「行政の効率化に向けて、デジタルの活用はもはや避けて通れません。預貯金照会もデジタルが標準になることを見据え、周辺自治体に先駆けていち早くpipitLINQを導入し、作業をルーチン化しようと考えました」と三島市市税収納課の佐藤恭彦氏は導入理由を語る。

佐藤 恭彦 三島市役所 財政経営部 市税収納課

導入後、佐藤氏が驚いたのは照会から回答までのリードタイムの短さだ。「書面照会では通常1~2週間、県外銀行にまとまった件数を照会すれば3ヶ月や半年かかることもありました。pipitLINQの導入で、地元地銀ならば早ければ翌日、遅くとも3日程度で回答が得られるようになりました。非常に画期的なサービスだと感じます」

三島市がpipitLINQを導入した4月から5月末にかけては、前年度会計の出納閉鎖に向けて滞納整理業務が山場を迎える。「今年は新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言を受けて滞納整理の自粛を検討していましたが、pipitLINQによって滞納者の財産・資力調査を効率的に進め、コロナ禍の影響を受けている人とそうでない人を判別し、滞りなく滞納整理を行うことができました」。その結果、コロナ禍で低下すると思われていた2019年度の市税及び国民健康保険税の合計収納率は98.80%となり、前年度の98.79%から維持できた。

2020年4 ~12月のpipitLINQ経由の預金照会件数は1,575件と、pipitLINQ経由の照会割合も増えてきている。削減できた時間や労力は財産・資力調査の分析や整理方針の検討に当てられるようになり、2020年12月末現在の市税及び国民健康保険税の滞納繰越分収納率は27.13%と、前年同月比3.05ポイント上昇した。

「債権回収は先着者のみが勝者であり、情報収集能力と機動力が非常に大事です。pipitLINQは情報を素早く正確に取得できるプラットフォームであり、導入していなければ今後の自治体競争を生き残れないと思います」と佐藤氏は強調する。

pipitLINQはRPAとの併用や基幹システムとの連携機能構築などにより、預貯金等照会業務のさらなる効率化も可能だ。現在、全国36の金融機関に導入(予定を含む)されており、NTTデータは金融機関への導入拡大を進めるとともに、生命保険契約の調査も対象とするなどの新機能搭載も検討している。導入コストを抑えたい行政機関のために、特別プランを用意するなど、行政機関のコスト増とならない価格体系も魅力的だ。pipitLINQは行政DXを推進するための重要なプラットフォームと言えそうだ。

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