世界で動き出す「新しい金融」 SDGs達成へ、民間資金を呼び込む

9月6日、「ポストG20:SDGsの達成に向けたイノバティブファイナンスの可能性」をテーマに、「社会的インパクト投資フォーラム2019」が開催された。メインパネルにはグローバルリーダーと日本の有識者が登壇し、世界の潮流や新しい資金調達手法について議論が行われた。

メインパネルのテーマは「SDGsとイノベティブファイナンス」。資金調達メカニズムの変革に向けて、様々な議論が交わされた

社会的インパクト投資フォーラム2019のメインパネルでは、セクターの壁を越えた官民連携型の新しい資金調達手法の可能性などについて議論が行われた。

GIIN(The Global Impact Investing Network)は社会的インパクト投資の活性化を目的に、ロックフェラー財団を中心とした投資家たちによって2009年に設立された組織だ。メインパネルの冒頭、GIINのアミット・ボウリCEOは「グローバルなスケールでインパクトをもたらすためには、グローバルなマーケットを創出しなければなりません。そして、民間資金を投入しなければ、社会・環境問題には対応できないと考えています」と語った。

アミット・ボウリ GIIN(The Global Impact Investing Network)CEO / 共同創立者

設立時にはたったの20団体・企業が参加して始まったGIINは現在、世界47ヵ国300以上の企業・団体が参加しているという。年金基金、保険会社、銀行、財団、政府系金融機関......。多様な投資家をつなぐのは、「SDGs達成には政府やNGO/NPOのリーダーシップとともに、民間の投資が不可欠」という信念だ。

外務省の鈴木秀生氏(地球規模課題審議官 大使)は日本政府の取り組みについて、「主に2つのことをやっており、1つは国内外における革新的資金調達の認知度の向上、もう1つは具体的なツールの開発です」と語った。

鈴木秀生 外務省 地球規模課題審議官 大使

認知度の向上については、日本は2019年、「開発のための革新的な資金調達に関するリーディンググループ」の議長国になっており、国際社会で積極的な発信を行っている。また、具体的なツールとして、グリーンボンド(企業や地方自治体等がグリーンプロジェクトに要する資金を調達するための債券)発行のための費用を支援する補助制度の設立などを挙げた。

結果を変えるには、
違う手法が必要になる

GIINの創業メンバーであり、ロックフェラー財団マネージングディレクターのロレンツォ・バーナスコーニ氏は、「私たちが力を注いでいるのは、新しいファイナンスソリューションのインキュベーターになること」と話す。特に資金が不足しがちなアーリーステージ(初期段階)のプロジェクトやアイデアへの助成や投資を積極的に行っている。そして、それがスケールする事業になるように支援している。

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