B1千葉ジェッツ 危機から再生、プロスポーツの新たなモデルに
かつて、経営不振で倒産寸前の危機にあったプロバスケットボールチームの千葉ジェッツは、この7年でリーグ屈指のトップチームに変貌した。その改革を率いたのが、異業種から転身して、2012年に社長に就いた島田慎二氏。視線の先に見据えるのは、日本のスポーツ界全体の活性化だ。
2016年に開幕したプロバスケットボールリーグB.LEAGUE(Bリーグ)で、圧倒的な存在感を放っているチームがある。船橋市に本拠を置く千葉ジェッツだ。
今年5月に3シーズン目を終えたBリーグで2年連続準優勝、天皇杯で3連覇を達成した千葉ジェッツは、平均入場者数が3年連続1位(2018~19シーズン:1試合平均5204人)。2018~19シーズンの売上高は17億円を超えて2年連続1位になると予想される。
地域への波及効果も大きい。ちばぎん総合研究所の試算によると、千葉県内での年間経済波及効果は1シーズン目に15億円、2シーズン目に18億1000万円。過去最高の観客動員数を達成した3シーズン目は20億円を超える。千葉ジェッツのパートナー企業数も1シーズン目の267社から307社、314社と右肩上がりで増加。このうち船橋市内の企業・団体が7割を占めており、地域がチームを支えていることがわかる。
さらに驚くべきは、子どもたちへの影響だ。もともと県内で7000人程だった小学生のミニバスケットボール人口が急増し、今では小学生の野球・サッカーの競技人口を上回って1万3000人程になっているという。
7年前は大赤字で倒産の危機にあった千葉ジェッツをここまで成長させたのが、2012年2月に経営を引き継いだ島田慎二会長だ。バスケットボールのプレー経験もなく、プロスポーツの経営に関しても門外漢だったが、現在ではスポーツに大きなポテンシャルを感じている。
「スポーツは地域活性、地方創生に大きな影響を与えます。千葉ジェッツは経営情報やノウハウを積極的に公開していますが、それは他のスポーツやクラブにも参考にしてもらって、日本を元気にしたいと考えているからです」
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