2017年12月号
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民泊・地域活性ビジネスのニューデザイン

お寺での「滞在」体験を事業化 癒される修業で心身をキレイに

青山 忠靖(事業構想大学院大学 事業構想研究所 客員教授/一般社団法人 地域デザイン学会 理事)

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日本の歴史と文化の詰まった、お寺でしか味わえない特別な体験を提供する「OTERA STAY」。心も体も「セルフクレンズ」し、参加者が自分を見つめ、高められる場づくりを行う。地域金融機関などの協力も得ながら、外国人を含めた旅行客の誘致を進めている。

事業構想を構築する上で重要な要素は、顧客セグメントと価値提案にあるといっても過言ではない。顧客セグメントとは複数に渡る別種の顧客セグメント同士の関係性をデザインすることでもあり、価値提案は卓越した価値創造でなければならない。

そこで1つの優れた発想と創造性の事例として、今回はシェアウィングの「お寺ステイ」のビジネスモデルを紹介したい。

シェアウィングは、飛騨高山にある寺院、高山善光寺より運営支援業務の委託を受け、「TEMPLE HOTEL 高山善光寺」を展開している

滞在(stay)価値を創出する

お寺が宿泊施設を兼ねていたことは歴史を見れば分かる。寺院は近世までホテルや旅館として機能していた。

代表取締役シェア社長の雲林院奈央子(うんりいん なおこ)氏によれば、「お寺で宿泊サービスを行うビジネスは過去にも存在した」そうである。ではなぜ、そのビジネスが定着しなかったのか、その理由について雲林院氏は次のような指摘をしている。

「お寺を単なる宿泊施設にしたところで、宿泊という価値においては旅館やホテルにかなうはずがありません。顧客にとって宿泊という価値領域の中では、お寺が旅館に対して優位性を持つことはないからです」

そこで雲林院氏は、stay(滞在)という切り口を導き出した。顧客にlodging(宿泊)ではなくstayを提供することで価値提案の転換を発想したのである。得てして民泊ビジネスではサービスのフォーカスが宿泊そのものに偏る傾向が否めないが、stayへの発想の転換は大いに参考となるのではないだろうか。

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