あえて「小さな市場」を行く強さ 希少疾病から患者を救う
医薬品には、難病や希少疾病という、患者数は少ないながらも医療ニーズが高い分野がある。市場が小さいために、収益は見込みづらく、大手が新薬開発を後回しにしてきたその分野で、ノーベルファーマは、なぜ成長を続けているのか。塩村社長が、戦略の要諦を語る。
私は2003年にノーベルファーマを設立しましたが、それまで、会社を興すことはまったく考えていませんでした。1977年に一橋大学経済学部を卒業し、三菱化成工業(現・三菱化学)に入社。定年まで勤めるのが当たり前だと考えていたんです。
長く医薬品部門を歩んで結果を残し、2002年には、親会社である三菱化学のヘルスケア企画室長に就任。役員になれることも視野に入る立場でしたが、そうした中で起業したきっかけは、化学系商社である稲畑産業の北米総支配人(後に専務)との出会いでした。
北米総支配人と食事をする機会があり、その中で、製薬業界のビジネスチャンスとして、ニッチな領域を狙えば、大手でなくても薬の開発はできるという話をしました。そしたら、「独立して自分でその事業をやってみては」と提案されたんです。
私は薬の開発・販売や企画といった現場の仕事は大好きですが、ヘルスケア企画室長の仕事は資本政策が中心で、違和感も抱いていました。
そうしたこともあり、北米総支配人からの提案を考えるようになったんです。
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