ソーシャル文脈で始まるグローバルなビジネス展開

環境問題に対する関心は、特に1990年代以降、世界的に高まり、環境コミュニケーションの重要性も増してきた。その一方で、近年は課題解決が必要なのは環境だけではないという認識への変化から、他の社会的課題への対象の広がりがみられる。また、グローバル企業のビジネスでは、本業に近い領域で社会的課題の解決に取り組み、ビジネスの拡大につなげていこうという試みが世界的な潮流になっている。

夏至の日に行われた「100万人のキャンドルナイト」。電気を消して節電する「ライトダウン」の取り組みの一つ。©ootahara/123RF.COM

環境問題だけでなく他の課題解決もテーマに

環境問題は1990年代以降、世界的に注目を集めるようになり、これに伴い、環境コミュニケーションも盛んになった。国内では「環境立国」を目指して2002年に環境省が、企業やNGOのトップ、著名人などによる円卓会議「環の国くらし会議」を設置した。

「これを受けて、様々な啓発活動が始まりました。地球温暖化防止のための京都議定書で、日本が約束した温室効果ガス削減目標の達成を目指す国民的プロジェクト『チーム・マイナス6%』『チャレンジ25』もその一つです」

電通第2CR プランニング局の福井崇人部長は当時、この会議の分科会でメンバーになった。福井氏はその際、夏至の日に電気を消して、節電に取り組むキャンペーンの「ライトダウン」を担当した。以降、このキャンペーンは毎年実施されるようになった。同様に「クールビズ(COOLBIZ)」は、オフィスや家庭での冷房時に、室温28℃でも快適に過ごせるように工夫するキャンペーンとして始まった。

「クールビズでは最初に、28℃と表記されたネクタイ型のバッジを作りました。当時は職場でネクタイをはずすことに関して、『お客様に失礼』という雰囲気がありました。このため、『ネクタイは、ここにあります』と示せる形のバッジを作ったのです。当時の小池百合子・環境大臣にバッジを渡したところ、他の大臣にも配ってくださり、そこから火が点きました」

また2010年に名古屋で開かれた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)は、大きなターニング・ポイントとなった。「想いでつなごう! COP10おりがみプロジェクト」は、おりがみを折り未来へのメッセージを書くことを通じて生物多様性の大切さを考える契機となった。世界の人たちに、絶滅危惧種の生物を折り紙で折ってもらい、世界中からたくさんのメッセージが日本へ寄せられた。

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