2013年度比26%削減へ 今春までに温暖化対策計画

昨年末の気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では、すべての国々が参加する初の合意である「パリ協定」が採択された。国内では、温室効果ガスを2030年度に、2013年度比で26%削減するという目標の達成に向けて、今春までに地球温暖化対策計画が策定される見通しとなっている。地球温暖化問題の解決に向けては、皆が気候変動を自分の問題として意識し、取り組みを進めていくことが重要となる。

平口 洋(環境副大臣)

自然と人間の安定的な関係の構築

―環境副大臣として、どのような自然環境を理想と考えていますか。

人間は大昔から、身の回りの自然を活用、利用してきました。かつては、自然と人間の間に安定的な関係がありました。しかし、産業革命以降、自然が破壊され、人間の生活も脅かされるようになり、それが地球規模で起きているのが気候変動問題ではないでしょうか。

このため、もう一度、自然との安定した関係を取り戻す必要があると思います。自然を利用することは、人間が生きていく上で不可欠ですが、持続可能に利用させてもらう術を、そろそろ生み出さなければなりません。先進国はこれまで、かなりの自然を破壊してきたので、その分、今後は自然と人間の安定的な関係を先導的に模索していく必要があると思います。

―環境問題への取り組みには、多くの人が関わることが重要ですね。

環境問題と聞くと、自分とはかけ離れた出来事だと思う人もいるかもしれませんが、環境とは本来、人間を取り囲むすべてを指す言葉です。私たち人間は、その環境から日々、様々な恩恵を得ることで暮らしをつないでいるのです。

昨今の便利過ぎる世の中では、私たちの暮らしが環境に支えられているという実感を持ちにくくなっていますが、だからこそ、小さいことでも良いので、多くの皆さんに環境問題に取り組んでいただきたいと思います。そして、自分たちは環境と密接につながっているのだという実感を得ていただくことが、非常に重要だと考えています。

気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)のメイン会場の様子。写真提供:環境省

各界、各層が一体となった取り組みが必要

―昨年末の気候変動枠組条約第21回締約国会議では、パリ協定が採択されました。日本としては今後、どのような指針を持って地球温暖化対策を進めていきますか。

パリ協定は、気候変動政策に関して歴史上初めて、すべての国々が参加する公平な合意となりました。このような合意に、日本も積極的に貢献できたことを、大変喜ばしく思っています。

昨年末には、政府の地球温暖化対策推進本部において、パリ協定を踏まえた我が国の取組方針を決定しました。まず国内では、温室効果ガスを2030年度に、2013年度比で26%削減するという目標を立てています。その達成に向けた道筋を明らかにするため、今春までに地球温暖化対策計画を策定します。これに基づき、省エネの徹底や再生可能エネルギーの最大限の導入等、対策や施策を進めていきます。

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