ターゲット戦略で良客を深耕
観光はあくまでも地域活性化の方策の一つ。大切なことは、観光を産業育成などにもつなげ、地域全体の力を高めていくことだろう。その好事例と言えるのが広島県の取り組みだ。フランスをターゲットに、観光誘致と地場ブランド発信を両輪で進めている。
日本に訪れる外国人観光客を国別に見ると、韓国、台湾、中国がトップ3だ。ところが広島県の外国人観光客はアメリカやオーストラリア、フランス、イギリスなど欧米系の観光客が多い。特にフランス人は直近のピークである2010年には5万2000人が訪問。同年のフランス人訪日客数が約15万人であるから、実に3人に1人が広島を訪れたことになる。
コンテンツの尖兵効果に着目
産業と観光をフランスに発信
なぜ、これほどフランス人客が多いのか。被爆地「ヒロシマ」としての知名度に加えて、宮島とモンサンミッシェルという海に浮かぶ世界遺産という共通点があり、広報面での連携が取られてきた。
「ただ、フランス人の間で急速に広島県の認知が広まったのはフランスのテレビ番組『Japan in Motion』がきっかけでしょう。650万世帯が加入するケーブルテレビで放送されている、広島の制作会社TSSプロダクションが手がける番組で、J-POPやカルチャー、そして観光情報を発信しています。地域が取り上げられることが多く、観光面での効果も非常に大きいと感じます」と、広島県東京事務所の望月徹次長は話す。
TSSが広島にあったのは偶然ではある。しかし、その偶然を利用しない手はない。広島県はフランスとの接点を活かし、観光誘致と地場産業発信の2つを戦略的に進めようとしている。
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