地域住民の健康を守る薬局の挑戦

第7回日本薬局学会学術総会が11月23~24日、大阪国際会議場にて開催される。少子高齢化が進み、保険薬局は新たなビジネスモデルを広げることが必要となってきた。先進医療の進展を見据え、在宅医療・予防医学の推進、医療のIT化など展開が始まった。

本年の日本薬局学会学術総会のテーマは「ネクスト・イノベーション:少子高齢化時代へ保険薬局の本気度~なにわの地から~」。大会長を務めるのは、兵庫県を中心に保険薬局を展開する大新堂の代表取締役社長の二塚安子氏だ。

今後、保険薬局は社会の変化にどのように立ち向かい、地域住民の健康を守るために何ができるかが焦点となり、薬局勤務者が全国から参加する。学術総会から生まれるイノベーションについて二塚氏に聞いた。

保険薬局の新キーワードは「在宅医療・予防医学」

―日本薬局学会ではどのような活動を行っていますか。

10月に利用開始された『電子お薬手帳』。カードサイズで処方薬履歴のほか、検診や検査結果も入力が可能になる。インターネットを通じて、旅先でも服用薬の情報を確認できる

日本薬局学会は、日本保険薬局協会が主催していた「ファーマシーフォーラム」を保険薬局という医療現場に主眼を置いて、研究活動を行う団体として2004年に設立されました。保険薬局の経営に関わる研究発表の場として定期的に学術大会を開催し、地域医療、国民医療への貢献を目指しています。

学術総会は7回目を数え、本年は未来講演として「自然治癒力を活用した最先端医療−再生医療の現状と将来展望」、シンポジウムとしては「ユビキタス時代の医療のIT化」「薬局薬剤師の機能拡大」「地域で支える認知症医療:薬剤師の社会的役割、薬局薬剤師の機能拡大」をテーマに行います。また薬局勤務者である薬剤師はむろん各スタッフの活発な研究発表も行います。

―保険薬局は環境の変化に合わせて、今後どのような事業展開が求められていますか。

医師は診療に専念するため、投薬については処方せんを発行し、その処方せんに基づく調剤は保険薬局の薬剤師が担当するという医薬分業が進められてきました。その政策の下で、保険薬局の数は増えてきましたが、残念ながら薬局機能の充実については未達成な部分があるのが現実です。

保険薬局を取り巻く環境は今、大きく変化を遂げています。中でも少子高齢化の進展により、高齢者の暮らしが変わってきたことを実感しています。

また保険薬局やドラッグストアも増え、ますます競争が激化しています。今後、立地にこだわるだけでなく、真の薬局機能を追求し続けなければならないと思っています。

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