袋井市のDX事例 シニア人材を育て、自治会DXを推進

静岡県袋井市では、デジタルディバイド解消を目的にデジタル地域創造プロジェクトを推進している。袋井市とNTTコミュニケーションズ、袋井・森地域シルバー人材センター等との連携で実現した取組を紹介する。

左より、NTTコミュニケーションズ東海支社第一ソリューション&マーケティング営業部門第二グループ 主査 鈴木 一生氏、事業構想大学院大学 客員教授 樋口 邦史氏(ファシリテーター)、静岡県袋井市企画部ICT政策課 主幹兼DX推進室長 大石 隆之氏、袋井・森地域シルバー人材センター 業務推進局長 鈴木 賢和氏

自治会連合会長会議をデジタル化

デジタル地域創造プロジェクトでは、ステップ1としてシニア世代を対象にしたスマホ講座の開催にあたり、市からシルバー人材センターに事業委託を行った。シルバー人材センターの会員の中から希望者を募り、同講座の講師として育成した。講師養成研修はドコモショップ等と実施し、参加者は講師役とサポート役の両方を経験するなど、実際の研修を想定して準備を進めた。スマホ講座には予想を超える受講の申し込みがあり、抽選で選ばれた80名の受講者からは、「他の人にもぜひ勧めたい」といった声があがるなど好評だった。

次にステップ2として、ステップ1で育成した講師にサポート役を依頼し、自治会連合会長会議のデジタル化に取り組んだ。24人の会長にタブレット端末を貸与したことで、年10回の会議の際に市の担当者が資料を郵送する手間が省け、参加者が重い資料を持ち歩く必要がなくなった。

地域で自走するDXを支援

今回の取組は、袋井市とNTTコミュニケーションズ、袋井・森地域シルバー人材センター等との連携によって実現した。袋井市とNTTコミュニケーションズは、袋井市が国のデジタル専門人材派遣制度を利用した際、NTTドコモ(2020年時点)が同市へ人材を派遣したことで関係が深まったという。また、NTTコミュニケーションズは2021年10月、NTTドコモ、NTTコムウェアと3社で新たな法人事業ブランド「ドコモビジネス」の展開を始めたことでワンストップサービスが実現し、地域課題の解決に向けて今まで以上に幅広い提案が可能となった。

袋井市企画部ICT政策課主幹兼DX推進室長の大石隆之氏は「地域の課題を正確に把握し、課題解決につながる仮説をしっかり設定した上で、その実現のために外部の皆さんに協力をお願いするようにしている」と市の役割と連携のあり方について考えを示した。これを踏まえ、NTTコミュニケーションズ東海支社第一ソリューション&マーケティング営業部門第二グループ主査の鈴木一生氏は「我々が持つデジタルのノウハウを伝えながら、導入だけではなく定着までの支援を心掛けた。シルバー人材センター、自治体の皆さまが自走できるよう今後も支援していく」と今回の支援のポイントを語った。袋井・森地域シルバー人材センター業務推進局長の鈴木賢和氏は「今回の事業を契機にセンター事務のDX、会員のデジタル支援を推進していくとともに、講師として養成した会員が、地域におけるデジタルの駆け込み寺の役割を果たせるようスキルアップを図りたい」と、地域のデジタル化へさらに貢献していきたいと語った。

※この記事は、2023年2月8日開催の「地域の産業と暮らしをアップデートする自治体DXウェビナー」に基づいて作成しました。

 

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NTTコミュニケーションズ株式会社
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