モルミル 医薬品開発ビジネスモデルにイノベーションを起こす
モルミルは奈良県立医科大学発のスタートアップ。CEOとしてチームを率いるのは、同大学医学部准教授も兼任する森英一朗氏だ。潤沢な資金はなくとも日々創薬分野の研究に勤しむ地方のアカデミアが持つ、キラリと光る技術シーズを集めてビジネス化するプラットフォーム構築を目指している。
臨床試験のコスト低減により
新薬上市の新たな仕組を作る
創薬は世界の医療の発展に貢献できる研究領域だ。モルミルは、新薬の自社開発のみならず、日本各地の大学や研究機関が持つシーズからポテンシャルの高いものを見出し、プロジェクトとして技術移転してビジネス化する事業に取り組む。CEOの森英一朗氏は「予算が潤沢な一部大学を除き、ほとんどの地方大学は細々と研究を進めているのが実情ですが、その中でもキラリと光る技術シーズをお持ちの先生方がたくさんおられますから、当社が国内の眠れる技術を束ねてグローバルで事業化することで、国内の創薬研究を盛り上げたい。これが当社の事業構想です」と語る。
新薬を上市するには何段階ものハードルを越えなければならない。最難関はヒトへの投与を行う臨床試験(治験)で、医薬品開発コストの9割以上がここに費やされる。モルミルは「従来コストの10分の1から100分の1で臨床試験をクリアすることで、医薬品開発のビジネスモデルを一変するようなイノベーションを起こす」ことを目指す。
「薬の作用機序は非常に複雑で、臨床試験の時点ではメカニズムが解明されている場合とされていない場合があるのですが、解明されている場合はそうでない場合と比較して新薬上市の成功確率が約2倍であるとの論文が発表されています。そこで当社では新薬のメカニズム解明のためのプラットフォーム構築を目指しています」
モルミルには現在、10数名の科学顧問が在籍する。その専門分野は物理、化学、生物、工学、情報工学など多岐にわたり、臨床医師や病態モデルを作る基礎研究者も名を連ねる。数年内にはさらに増員し、科学顧問が20人ほどになる予定だ。
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