GMB モビリティの未来を見据えたものづくり

GMBは1943年に大阪で創業した金属加工業をルーツとする生粋のものづくり企業だ。1985年に奈良県に本社を移転。どの自動車メーカーの系列にも属さない独立系部品メーカーとして、駆動・伝達系やエンジン部品など様々な機能部品を国内外の新車およびアフターマーケット市場に供給している。

松岡 祐吉(GMB 代表取締役社長)

既存技術を生かして新製品開発
自動車産業の変革期に呼応

GMBの主力商品はパワートレインと呼ばれるエンジンの回転をタイヤに伝えるための動力伝達装置の構成部品や、エンジンを冷却するためのウォーターポンプなどで、手掛ける製品の種類は2万1000を数え、販売総数は2021年に4億3500万に上っている。アジアや欧米を中心に、世界に23の生産・営業拠点を持ち、売上の8割以上が海外というグローバル企業だ。

エンジンを冷やすクーラント(冷却水)を循環させるための「ウォーターポンプ」。高い信頼性と品質が支持され、世界規模でトップシェアを誇る

今、自動車産業は100年に1度の変革期とされ、業界を挙げて取り組むべき課題として「CASE(Connected=ネットとの接続、Autonomous=自動運転、Shared & Service=シェアリングやサービス、Electric=電動化)」という表現がよく使われている。GMB代表取締役社長の松岡祐吉氏は「当社は昨年創業80周年を迎え、100年目に向けて動き出しました。そのなかで避けて通れないのがCASEであり、その概念をベースに様々な新製品の開発を進めています」と話す。

なかでも特に関連性が深い領域に位置付けるのがElectric(電動化)だ。例えば、ウォーターポンプの技術を生かし、エンジン以外の冷却も行える装置を開発。ハイブリッド車や電気自動車などに必須のバッテリーなど、熱を発するコンポーネントに適用できる。

「高効率化は自動車の至上命題で、そこでは熱管理モジュールが重要な役割を果たします。エンジンもほかの装置も、高効率で性能を発揮できる最適温度があるのですが、当社の熱管理関連製品は、ただ冷やしたり温めたりするのではなく、それぞれに適した温度をキープできる技術も含んでいます」

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