古き良き文化と心に響く味わいを伝えたい 日本酒文化とおもてなしの哲学

“酒番”として燗酒の魅力を伝えながら、酒席を昇華させ、人と人とをつなぐ多田正樹。偶然の出会いから飲食の世界へと進み、フレンチの名店で腕を磨き、唯一無二の日本酒の伝道師に。今も日本酒の温度はもちろん、器にもこだわり、究極のおもてなしの形を追い続けながら、日本独自の良き文化を世界に伝え、人々の幸福な時間を創造すべく、道を切り拓き続ける。

文・油井なおみ

 

多田 正樹(酒番)
撮影協力/東京十月 https://tokyo-jugatsu.com

電機メーカーから銀座へ
志なき転身で見た接客の世界

多田正樹が飲食業界に入ったのは、元号が昭和から平成に変わった頃。“志した”というより、“致し方なく”という気持ちに近かったと振り返る。

当時のパソコンの普及率はまだ10%台。コンピュータエンジニアは将来性があり、かつ高収入の職業として注目を集めていた。多田は時代を見据え、電気工学を学べる高校に進学。卒業後は大手電機メーカーの研究所で専門機器の研究開発に従事した。

「朝から計器に囲まれ、誰とも喋らない日々。しかも、機密が多く、家族にも仕事のことを話せませんでした」

ストレスが溜まり、2年ほどで退職。島根の実家に戻った多田は地元のカフェで働いた。

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