親しみのある「霞が関」へ 日本初の国家公務員YouTuber
行政の広報資料といえば、硬い。難しい。とにかく無難。そんなイメージではないだろうか。これを逆手に取り、2020年に話題となったのが農林水産省公式YouTube『BUZZ MAFF』だ。人気チャンネルとして育てた立役者が日本初の『国家公務員YouTuber』と呼ばれる白石優生。チャンネル開設から3年。役所らしからぬ柔らかな切り口とは裏腹に、人気に慢心することはない。
文・油井なおみ
自称お調子者の成功の秘訣は
「一番最初に手を挙げる」
新型コロナウィルスの感染拡大によって卒業式・入学式などの式典が中止や延期に追い込まれた2020年の春、花卉市場は大打撃を受けた。農林水産省は花の消費拡大を図るため、『花いっぱいプロジェクト』を始動。家庭や職場などでも花を、というメッセージを伝える動画が開設間もない農林水産省公式YouTubeチャンネル『BUZZ MAFF』からも配信された。職員2名が真摯にメッセージを伝える動画だが、画面の中ではどんどん花が増殖し――。
この動画が100万回再生を突破。当時は、未知の感染症への国の対応に対し、国民の不信感が大きく取り沙汰されていた時期。そんな中で、国家公務員が顔出しでメッセージを伝えていることへの驚きと、さらには「役人=お堅い」というイメージを覆した演出に好意的なコメントが多く寄せられ、マスコミの取材も殺到した。
この動画を制作したのが農林水産省 広報担当の白石優生。当時は九州農政局に所属する入省1年目の新人だった。『タガヤセキュウシュウ』というチーム名で、今も大喜利のような『職員あるある』を紹介したり、大臣会見に鹿児島弁でアフレコしたりとユニークでアイデア満載の動画を配信し、多くのファンの心を掴んでいる。
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