第一次ブームから10年 3Dプリンターは流行から社会実装へ

第一次ブームから約10年、装置の進化や印刷材料の多様化によって3Dプリンターは着実に社会実装を進めている。SDGsや脱大量生産・大量廃棄という社会的なムーブメントも3Dプリンター普及の追い風だ。3Dプリンター活用の現状と展望を解説する。

SDGsや脱大量消費・大量廃棄の潮流が、3Dプリンターの社会実装を後押ししている
(写真はイメージ、Photo by UN Ukraine)

2012年~2013年頃にかけて、日本では3Dプリンターの第一次ブームが起こった。熱溶解積層(FDM)方式などの樹脂系3Dプリンターの基本特許が切れたことで、アメリカや中国のスタートアップが3Dプリンターを続々と発売。安価かつ小型のプリンターが登場し、個人がものづくりに参入する「メイカーズムーブメント」が脚光を集めた。これにより樹脂系3Dプリンターは市民権を得たものの、企業での活用は試作品を作るためのラピッドプロトタイピング(RP)が中心であった。

それから約10年で、造形速度の高速化、樹脂以外の金属やセラミックなどの印刷材料の普及、プリンターの低コスト化などが進み、RPだけでなく、3Dプリンターで最終製品や実用的な部品・治具を作る「ダイレクト・デジタル・マニュファクチュアリング(DDM)」の時代が訪れつつある。

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