Microsoft 365の運用を最適化 情報セキュリティと働き方改革を両立
由利本荘市では、DXによる抜本的な業務効率化や働き方改革の実現に向け、Microsoft 365とA10 ネットワークスのセキュリティプラットフォームを導入。担当者が語る採用背景と将来構想とは。
コミュニケーション基盤を構築し
職員の働き方改革を実現
秋田県南西部に位置する由利本荘市。広大な面積と豊かな自然を持つ同市だが、高い高齢化率や点在する各支所の対面打合せなどのため、デジタルによる職員のコミュニケーション基盤の刷新を模索してきた。庁内のデジタル化を推進する同市総務部 行政改革推進課 デジタル化推進班の今野 薫氏は、「由利本荘市では2013年にCIO体制を確立して以来デジタル分野を少しずつ改善してきましたが、コロナ禍によってテレワークを検討する際に、根本的にワークスタイルを変革しようと、クラウド活用を検討しました」と語る。
由利本荘市が採用したのは、ビジネスチャットやオンライン会議など多様な機能を持つMicrosoft 365だ。業務システムをLGWAN接続系に閉じるというαモデルの原則を踏襲しつつ、特定通信を拡張してクラウドサービスを活用できる環境構築を検討した結果、特定通信をオフロードできるA10 ネットワークスのセキュリティプラットフォーム「A10 Thunder CFW」を導入し、運用を最適化した。
1億5000万円分の
生産性向上効果を見込む
庁内のLGWAN接続系の端末からMicrosoft 365にアクセスする際の回線オフロード、Microsoft 365に係る通信のみのホワイトリスト化、個人アカウント利用制限をA10 Thunder CFWが担うことで、自治体情報セキュリティクラウドを経由せず、Microsoft 365への円滑かつセキュアなアクセスを実現している。約1500人の職員全員がMicrosoft 365を活用しているため、遠隔会議の開催などで年間1億5000万円ほどの生産性向上効果が見込まれている。また、A10 Thunder CFWでは頻繁に行われるMicrosoft 365のドメイン更新にも自動的に対応できるため、運用面の負担も軽減しているという。
「セキュリティを維持したままコミュニケーションが活性化されるなど、働き方改革にも大きく貢献しています。これまで柔軟で効率的な業務環境の構築と強固なセキュリティ対策はトレードオフの関係にあると思われてきましたが、今はそうではありません。これまでの働き方は、『職場』が先にあり、ヒトがそこに集まって働くというものでしたが、これからは働くヒト同士を『クラウド』がつなぐことになります。そこで重要なのがゼロトラストの考え方です。インターネットのクラウドにつながってエンドポイントをきめ細かく把握すれば、職員のポテンシャルを最大化できます」と今野氏は語る。
今はまだシステム導入の初期段階であり、業務システム側の対応や運用の問題もあることから、ゼロトラストへは段階的に移行するとしつつも、運用レベルが上がればBYODも具体的な選択肢として検討可能という。
政府方針としてクラウドバイデフォルトが掲げられるなか、パブリッククラウド利用に舵を切り、業務効率化を加速させることが求められている。由利本荘市には多くの自治体から調達や運用に関する質問が来ているというが、働き方改革と情報セキュリティ対策を両立するには普段からあるべき姿を念頭に置いて、場当たり的な対応にならないことが重要と今野氏はいう。
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