デジタル地域通貨が可視化する、地域経済の「対流」

DX(デジタル・トランスフォーメーション)の手段の一つとして注目されるデジタル地域通貨。地域経済のなかでデジタル地域通貨が導入される意義とは何か、会津大学食堂で使用される〈白虎〉の開発にかかわり、広域行政のDXなどにも取り組む、藤井靖史氏に聞いた。

藤井 靖史 西会津町デジタル戦略アドバイザー、内閣官房 情報通信技術総合戦略室オープンデータ伝道師

近年のデジタル技術の発達や新型コロナ対策としての非接触決済促進の文脈で脚光を浴びるデジタル通貨。地域経済やコミュニティ活性化のツールとしても期待が集まっている。

「江戸時代の城下町がそうであったように、本来、まちは"つくる"ものではなく、自然発生的に"できていく"もの。地域の活性化において重要なのはできていくまちのなかで、地域に必要な"構造"を紡ぎ出すことです」と話すのは、テクノロジーの地域活用を研究領域とし、日本初のデジタル地域通貨〈白虎〉の開発に携わった藤井靖史氏だ。近年の多くのビジネスや地方創生、国家的なプロジェクトは"構造"から入ったために失敗してきたと指摘する。その原因は「ゼロ(カオス)から1(構造)が生まれる仕組みを理解していないことと、実施する順番を間違えてきたことにあります」と続ける。

地域で温度差を見つけ
「対流」を紡ぎ出す

藤井氏によれば、まちができていく法則は〈味噌汁フレームワーク〉によって説明できる(図)。味噌汁の表面にできるモヤモヤとした模様(構造)は、温度の高い部分と低い部分の温度差によって"対流"が起きることで見える。これはノーベル化学賞を受賞した〈散逸構造論〉をベースとした考えで、この世に存在する全てのものが創生される仕組みだとされている。

図 〈味噌汁フレームワーク〉のイメージ

地域の姿ともいえる味噌汁表面の模様(構造)は水面下の対流が生み出している。構造に合った政策・プロダクト・サービスをつくるには地域の対流を理解することが重要で、ブロックチェーンを活用したデジタル地域通貨は、個人情報を含まないかたちで"対流"を可視化できるツールだ

出典:藤井氏提供資料より編集部作成

 

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