2021年2月号

地域みらい共創フォーラム

浜松市×シスコシステムズ ニューノーマル時代のスマートシティ

シスコシステムズ

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スマートシティプロジェクトを推進する際のポイントは何か。デジタル・スマートシティ構想を掲げ官民連携のまちづくりを進める浜松市の鈴木康友市長と、世界中でスマートシティの構築を支援してきたシスコシステムズの仁王淳治執行役員が事例紹介を交えながら議論した。

浜松市 官民連携で
アジャイル型のまちづくり

浜松市は2019年10月にAIやビッグデータなどのデジタルの力を最大限に活かした持続可能な都市づくりを推進する「デジタルファースト宣言」を行い、デジタル・スマートシティの構築に着手した。

「スマートシティ構想では、目指す方向性や基本理念をしっかりと固めることが大事です。浜松市では、市民QOLの向上と都市の最適化という2つを掲げました。さらに、スマートシティの推進にあたってはオープンイノベーション、市民起点、アジャイル型まちづくりの3つの視点で取り組んでいます」と鈴木康友市長は話す。

鈴木 康友(浜松市長)

体制面では、庁内に専門部署を設置するとともに、官民連携組織として「浜松市デジタル・スマートシティ官民連携プラットフォーム」を設立。大手企業からベンチャー、NPOなど約100の企業・団体が加わっている。

「浜松市は、豊かな自然に加えて都市部から中山間地域まで多彩なフィールドが存在する"国土縮図型都市"であり、実証実験に最適な場所です」と鈴木市長。官民の共創で、まずはスモールスタートでチャレンジし、トライ&エラーを繰り返すことで、スピード感あるまちづくりが実現している。

すでにエネルギー、モビリティ、産業、子育て、健康・医療など幅広い分野で取り組みが始まっている。エネルギーでは、再生可能エネルギー導入容量全国第1位の強みを活かし、エネルギーベストミックスによる電力確保を目指した様々なスマートプロジェクトを実施。「浜松ウェルネスプロジェクト」は市外の大手企業と共に、市民の疾病・介護予防等に寄与する様々な実証事業を展開し、データやエビデンスを取得する取り組み。「成果を市は予防・健康づくり施策に活用し、企業は新ビジネスに活用する、ウィンウィンの関係性を築いています」(鈴木市長)

「春野医療MaaSプロジェクト」は中山間地域の医療課題解決のための実証実験だ。看護師が車で中山間地域に移動し、車内で患者と診療所の医師とをオンラインで繋いで診療・服薬指導し、ドローンで患者自宅まで薬剤配送する。他にも全国に先駆けた事業が多数始まっている。「市を挙げてデジタル・スマートシティを推進して参ります」と鈴木市長は力を込める。

シスコシステムズ
世界35カ国のプロジェクトに参画

シスコシステムズは世界35カ国以上で70を超えるスマートシティプロジェクトに参画してきた。「スマートシティはデバイスやモノ、人、コトをICTで繋ぎ、新しい価値を生み出すことがミッションです。弊社はその"繋ぐ"部分、それも"セキュアに繋ぐ"ことに強みを持っています」と仁王淳治執行役員は語る。

仁王 淳治(シスコシステムズ 執行役員)

「スマートシティで重要なことは、共通プラットフォームの存在です。スマートシティを一企業で開発・運営することは不可能で、様々な企業・団体の協力が必要です。都市の持つ様々な設備・機能をネットワーク化し、共通プラットフォームでデータを収集、分析、効率的に管理し、その上に住民向けサービスや都市管理機能を搭載させることで、新しい連携や新たな価値が生まれるのです」(仁王氏)

図 シスコのスマートシティ構築支援の強み

出典:シスコシステムズ

 

2000年にスペイン・バルセロナ市が開始したスマートシティプロジェクトでは、シスコはWi-Fiを都市のICTの共通プラットフォームとして活用。スマートごみ収集管理やスマートパーキングなどの新たなイノベーションが創出された。

韓国では、仁川市およびポスコ等と連携し、仁川国際空港の至近にスマートシティ(松島国際都市)を新設。住居エリアや病院、学校、オフィスなどを高速ネットワーク上で繋ぎ、最新のビデオ技術を活用し企業・家庭にサービス提供をしている。

インドでは、2022年までに100のスマートシティを整備する方針が政府によって掲げられ、シスコは構想策定段階からプロジェクトに参画してきた。「大きな課題は、100ものスマートシティを運用し続けるにはICT人材が足りないということでした。そこでインドの大学と連携し、『シスコ・ネットワーキング・アカデミー』を176講座開講、継続的なICT人材育成でもインドに貢献しています」(仁王氏)

国内では、京都府のスマートシティ推進を主導。スマート周遊観光では、インタラクティブサイネージやWi-Fi を用いて、観光客の周遊促進と広告ビジネスによるマネタイズモデルを構築した。安心・安全分野では、街灯や監視カメラ、環境センサーを一元管理できるプラットフォームを導入し、コスト削減と安心・安全を両立した。北海道岩見沢市では、Cisco Webex Teamsをコミュニケーション基盤として活用し、聴覚障害者が手話通訳者にアクセスして必要な支援サービスを受けられる環境や、地域と遠方の学校を結ぶ新しい教育プログラムなどを実現し、市民生活の向上と地域活性化を推進している。

「弊社は、①スマートシティ分野における成功と失敗を含めた豊富なナレッジと経験、②最新かつ包括的なインフラ技術、③多様なエコパートナーシップ・パートナーコミュニティ、④DX材育成のための教育プログラム、という4つでスマートシティ構築に貢献します。総合計画策定から ICTシステム設計、 構築・運用まで幅広い支援を行って参ります」(仁王氏)

実装のカギはDX人材育成

スマートシティ構築を目指す地域や自治体は少なくないが、推進のポイントは何なのだろうか。鈴木市長は「方針の明確化、それを進める体制づくり、スピード感をもって取り組んでいくことに尽きます」と話す。シスコの仁王氏もその言葉に頷き、「しっかりとした構想やビジョンがなければなかなか施策は進みません。社会に存在するテクノロジーを、構想実現に向けてどう使い、どう組み合わせるかについて、官民の多様なメンバーで知恵を出し合うことが重要です」と指摘する。

一方、鈴木市長は現在の課題として、「実証実験で終わらせず、実装をいかに早く進めるかが課題。実行力・実現力が試されています」と話す。仁王氏は「実装・運用フェーズに移行するためにはDX人材が非常に重要です。DX人材を育てるには、学習に加えて経験が必要ですが、自治体業務は未だにアナログな面が多いです。そのため弊社は、自治体業務のDXを積極的に推進し、庁内にDX人材が育つ環境を支援して参ります」と述べた。

 

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