放送メディア・ウェブ・リアルを活用 「テレ東の地域創生」

番組制作のノウハウを活かして地域創生を支援するテレビ東京ダイレクト。放送メディア・ウェブ・リアルの3者を活用した取り組みについて、情報番組『羽田土曜会』プロデューサーの進藤隆富氏と、同社とシティプロモーションに取り組む長野県伊那市 秘書広報課の池上政史氏が語った。

キーマンへの密着取材で
羽田から地域の魅力を発信

テレビ東京グループの通販事業者であるテレビ東京ダイレクトでは、自社で製作するテレビ番組を活用し、物販、食品通販、旅など多様な事業を展開することで地域創生に取り組んできた。なかでも、地域創生をテーマとした情報番組『羽田土曜会』(BSテレ東)では、日本各地で地域創生に奮闘するキーマンに焦点を当て、地域を元気にするヒントを探る番組だ。羽田空港内のスタジオでは、MCの伊藤聡子氏が羽田土曜会座長で羽田未来総合研究所社長の大西洋氏や自治体の首長らのゲストとVTRを見ながら語り合い、地域の課題解決への取り組みや先進事例、自治体と企業のコラボ事例を紹介している。

同番組プロデューサーの進藤隆富氏は「目指しているのは『カンブリア宮殿』の地域創生版です。羽田から日本中に地域の魅力を発信することで、新たなつながりが生み出せたら」と話す。

進藤 隆富 テレビ東京ダイレクト 羽田土曜会プロデューサー 兼 地域創生プロジェクトチーム

プロモーション効果を高める
テレビ・ネット・リアルの融合

番組参画のメリットは大きく3つ。1つは、BS全国放送の本番組にて地域の取り組み紹介によるPRができること。放送動画は全国放送後にウェブで公開されるため、テレビ・ネット双方で視聴可能だ。2つ目は、ウェブ配信でのPRだ。放送動画は番組公式のFacebookとYouTubeに加え、テレビ東京の経済報道番組に特化した会員制有料動画配信サービス〈ビジネスオン デマンド〉の有料領域でも配信されるため、幅広い層にリーチすることができる。3つ目は、放送動画の二次利用。番組動画を元に二次利用可能な形で納品されるため、自治体ホームページに掲載するなど、プロモーションに有効活用できる。

さらに、番組制作とセットで"羽田空港での食のPR・販促"も提案している。第2ターミナル到着ゲート近くにある日本食文化の情報発信型カフェ〈和蔵場 ~wakuraba~〉を活用し、"食べる・知る・買う"を組み合わせ、日本各地の食土産を魅力的に提供するものだ。

「店内のPRスペースで特産品や伝統工芸品を展示・販売することで、商品のPRやブランディング、新商品のテストマーケティングなどのさまざまなニーズにお応えできます。好立地でのリアルなプロモーションと、30秒の番組情報コーナーを活用したテレビプロモーションをセットにしたPRも可能です」と進藤氏。さらに、空港内でのPRや販促、イベントスペースでの交流会やセミナーなどの展開も検討中だという。

包括連携協定の締結で
伊那市の広報活動を全面支援

テレビ東京ダイレクトでは『羽田土曜会』の他にも、お取り寄せグルメ番組『虎ノ門市場』、ツアー紹介情報番組『ハーフタイムツアーズ』の制作を通じ、各自治体と連携して地域の魅力発掘とメディアプロモーションを実施してきた。なかでも、2年間にわたり観光や移住促進の支援を行ってきた長野県伊那市とは、さらに先進的な取り組みを行うべく2020年2月に包括連携協定を締結した。テレビ東京グループが地方自治体と包括連携協定を締結するのは同市が初めてとなる。

アルプスに囲まれ、豊かな自然と文化を育んできた伊那市。テレビ・ネット・リアルという3つの手段で地域の魅力発信に取り組んでいる

長野県南部に位置する伊那市は、南アルプスと中央アルプスという2つのアルプスに抱かれ、まちの中央部を天竜川と三峰川が流れる、豊かな自然と歴史のあるまちだ。そんな伊那市がテレビ東京と初めて接点を持ったのは、秘書広報課広報広聴係長の池上政史氏が2年前に事業構想大学院大学のホームページから『ハーフタイムツアーズ』の情報を得たことがきっかけだった。

池上 政史 長野県伊那市 秘書広報課 広報広聴係長

「番組で紹介された旅と連動したテーマ旅行を販売することで、単に地域の魅力を伝えるだけでなく、地域が最も必要としている観光・誘客に繋げていることが分かったのです。早速、担当の方に移住・定住の促進、関係人口の創出に重点を置いた番組づくりを相談したところ、PRのプロから見た地域の魅力を落とし込んだ『移住体験ツアー』を軸に、大変価値のある番組に仕上げていただきました。地方創生交付金を充てることができたのも大きなメリットでした」

テレ東グループ全体で
多角的なPR活動を推進

テレビ東京ダイレクトは今後、制作番組、デジタルメディア、通販顧客といったリソースを活用して、伊那市のプロモーションを支援していく。また、伊那市の広報力向上のため、職員研修にはテレビ東京の人気番組を手がけるプロデューサーらを講師役として派遣するという。現在は、遊休施設などを活用したコールセンターの開設計画が進行している。

「テレビ通販番組が強みのテレビ東京ダイレクトにとってコールセンターがキーであるように、名産品のブランディングや販路開拓、地域経済の活性化を踏まえると、伊那市にも万全な体制を整えたコールセンターが必要だと考えています」と進藤氏。これを受けて池上氏も「地方にとって雇用創出は悩みの種ですが、テレビ東京ダイレクトのコールセンターとあれば、伊那市の魅力の創出にも繋がると思います」と話す。

テレビ東京ダイレクトが窓口となり、グループ内で情報共有することで、各番組の取材やイベント企画など多角的な推進も可能になる。池上氏は「特産品の松茸を『虎ノ門市場』で売るアイデアが出たり、最近はドラマのロケ地に使用される機会も増えてきました。テレビ東京様と連携することで、これまでの広報施策にはない新しい地域プロモーションのモデルが生み出され、伊那市の地域活性化を促進するとともに、将来的には広く全国に横展開されるモデルになれたら」と意気込む。〈Go To トラベルキャンペーン〉で観光需要が回復に向かう今、アフターコロナに向けた準備期として、シティプロモーションで先手を打つことを検討されてはいかがだろうか。

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株式会社テレビ東京ダイレクト
事業開発部 地域創生プロジェクトチーム 
担当:吉澤、新井
Mail sousei@tx-direct.co.jp

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