ベンチャーアワード 科技大臣賞を新設、宇宙環境企業が受賞
20年目を迎えたJapan Venture Awards事業。今年は、宇宙産業や医療機器ベンチャーの創業者を表彰した。新たに科技政策担当大臣賞を設け、技術ベースの創業者を応援する。
独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)は、2020年2月25日、「Japan Venture Awards(JVA)2020」の経済産業大臣賞、科学技術政策担当大臣賞などの受賞者11人を発表した。Japan Venture Awardsは、新事業創出や市場開拓に挑むベンチャー企業の経営者を表彰するもの。おおむね創業から15年以内の中小企業の経営者・代表者が対象となる。
若い企業の活躍を期待
経済産業副大臣の松本洋平氏は表彰式のあいさつで、「我が国の開業率を欧米諸国並みの10%とするという目標達成に向け、経産省では地域における創業や、グローバルに戦える企業の育成支援を実施しています。本日の受賞者の会社が、地域、あるいは日本を代表するベンチャー企業として活躍することを願っています」と話した。
JVA2020の科学技術政策担当大臣賞はアストロスケールホールディングス(東京都墨田区)創業者兼CEOの岡田光信氏に、経済産業大臣賞はVarinos(東京都品川区)代表取締役の桜庭喜行氏に贈られた。科学技術政策担当大臣賞は、JVA事業開始から20年目を迎える今回、新たに設けた賞。同賞を受賞した岡田氏が創業したアストロスケールは、宇宙ゴミの問題の解決に取り組む企業だ。岡田氏は、「とてもうれしい。宇宙の環境改善というミッションに共感して入社してくれた社員とこの喜びを分かち合いたい」と話した。
経産大臣賞を受賞したVarinosは、次世代シーケンサーを用いた医療用の遺伝子解析を行う臨床検査受託解析企業で、子宮内細菌叢の検査を実用化している。桜庭氏は、前職の次世代シーケンサーメーカー勤務時に、欧米や中国、韓国で新規のゲノム検査会社が次々と立ち上がっていくのを見、日本だけが遅れていく状況を食い止めるために、同僚だった長井陽子氏(現・Varinos取締役)と同社を設立した。受賞のあいさつで、同氏は「今後も日本のゲノム医療を盛り上げていきたい」と語った。
中小企業庁長官賞は、乳房用画像診断装置の開発を進めるLily Med Tech(東京都文京区)代表取締役の東志保氏と、データを暗号化した状態で流通・集積・データ解析・AI処理するプラットフォームを開発するEAGLYS(東京都渋谷区)代表取締役社長の今林広樹氏に贈られた。この他、中小機構理事長賞、JVA審査委員会特別賞もそれぞれ2人が受賞している。
創業5年以内の経営者に贈られるJVCA特別奨励賞は、LAPRAS(東京都渋谷区)代表取締役の島田寛基氏が受賞した。LAPRASは、インターネット上のブログやSNS、技術情報共有サービスなどから、個人のプロフィールを自動生成する技術を開発した企業。同社のサービスは、既に企業のエンジニア人材採用などに活用されている。
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