2018年12月号
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フィンテックの興亡

キャッシュレスの勝者は誰に? 社会が選ぶ未来の決済手段

福本 勇樹(ニッセイ基礎研究所 金融研究部 主任研究員)

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現金が好んで使われており、諸外国に比べキャッシュレス化が遅れていると言われる日本。キャッシュレス化が進まない原因は何か、どうすれば脱現金の循環が回りだすのか。モノの売買のビッグデータを次代に生かすためには、小売店への支援と、消費者の誘導が必要だ。

福本 勇樹(ニッセイ基礎研究所 金融研究部 主任研究員)

硬貨や紙幣を使わずに支払いを済ませるキャッシュレス決済。経済産業省は、2025年にキャッシュレス決済比率40%を達成するという目標を立て、2018年4月に業界横断的な組織「キャッシュレス推進協議会」を立ち上げた。

日々の暮らしの中で、昔と比べて現金を使う機会が減ったと感じている人は多いのではないだろうか。日本のキャッシュレス化の現状はどうか、ニッセイ基礎研究所主任研究員の福本勇樹氏に話を聞いた。

日本の脱現金は2~4割

日本における「キャッシュレス決済」の定義は、クレジットカード、デビットカード、電子マネーによる支払い。2015年のデータでは、国内のキャッシュレス決済の割合は18.4%だった。韓国は89.1%、中国は60.0%、西欧・北米諸国は40%~50%台である中、日本とドイツは10%台にとどまっている。「ただし、銀行決済や口座振替も含めると40%強となると予測され、『現金決済ではない方法』を広くとると、日本でも半分弱はキャッシュレスであると言えます」と福本氏はいう。

それでも、日本政府がさらなるキャッシュレス化を進めたい理由として、現金を取り扱うコストの問題がある。ATMを設置・維持し、日々現金を輸送する費用や、営業終了後にレジの現金をカウントする人件費など、現金の利用には国内で約8兆円のコストがかかっていると言われている。

「低金利政策で利ザヤの低下に悩む金融機関はATMを削減したい。また、流通・小売業は、キャッシュレス化を人手不足の問題を解決する手段の1つとして見ています」と福本氏は話した。同時に、キャッシュレス決済を通じた経済の活性化、新産業創出を果たしたいと政府は考えている。アマゾンペイやアリペイなどのグローバル決済サービスが進出する中、決済で取集できる購買履歴などのビッグデータを戦略的に守っていかなければならないという思惑もあるとみられる。

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