ニュージーランド 医療やAR・VR分野で世界企業が続々登場
人口500万人に満たないニュージーランド。近年では経済成長率が毎年3%を超え、国際社会での存在感を増している。ITソフトウェアやヘルスケア、AR/VRなどのクリエイティブテック領域で、数多くのスタートアップを輩出している。
ニュージーランドの技術系スタートアップたちの特徴を一言で表すならば、それは"ボーン・グローバル"だ。本国は北米およびアジア市場へのアクセスに優れ、世界的な輸出拠点でもある。包括的な自由貿易ネットワークに組み込まれ、貿易と投資がしやすく、世界最速レベルのインターネット網も整備されている。企業は極めて意欲的な風土を持ち、新しい技術を積極的に取り入れながら、グローバル課題に対応したソリューションを提供している。
医療分野のスタートアップ
ニュージーランドは世界トップ水準の医療環境で知られているが、医療系スタートアップも多い。3Dスキャン技術を活用した外傷測定・分析システムを手がけるARANZ Medical、アプリと連動して投薬状況や健康状態を管理できる「スマート吸入器」を開発するAdherium、革新的ながん診断システムを提供するPacifi c Edgeなど、多くのスタートアップが世界市場に進出して成長し、医療業界の革新と患者の快復に貢献している。
注目企業のひとつが、首都ウェリントンに本社を置くVolpara Health Technologies(ボルパラ)だ。同社は乳がんの早期発見のための乳房密度解析ソフトウェアを開発している。乳房密度が高い人はマンモグラフィ(乳房エックス線撮影)で乳がんの有無を確認しづらいという課題があるが、ボルパラのシステムはこの課題解決に繋がる。すでに世界30カ国以上で使用され、放射線科医にマンモグラフィの自動評価を提供している。これまでに、約9,800万人の女性がボルパラのソフトウェアによってスキャンされ、数千人の命が救われている。
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